Music Rebalance(音楽再バランス)[STD & ADV]
モジュール及びプラグイン(Audiosuiteのみ) |
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概要
Music Rebalance(音楽再バランス)はマシーンラーニング・アルゴリズムを利用し、ミックス内の声、ベース、そして打楽器を検知して分離します。声、ベース、そして打楽器の何れにも当てはまらないと検知された成分はOther(その他)として分類されます。分離後、ミックス内の各成分はそれぞれ個別にレベル調整を行うことができます。
音楽再バランスは、特定のミックス成分を調整するとき、解決策の代替案としてオリジナルのトラックやステムが使えない状況で便利な機能です。またこの機能を使用すると、状況に応じてその他3つの成分を減衰することで、単一のミックス成分(例:リードボーカル)を分離することも可能です。この機能はRX7オーディオエディター内ではモジュールとして、Pro Tools内ではAudiosuiteプラグイン(AAX & DPM)として使用できます。
操作項目
音楽再バランスには、レベル調整、ミックス成分分離の精度向上、そしてグローバルな分離アルゴリズムモードを決定するための以下の操作項目が用意されています。

注: 感度コントロール
各ミックス成分の感度コントロールはそれぞれ相対的に作動します。例えば、全ての感度コントロールを5.0に揃えた場合と、全ての感度コントロールを8.0に揃えた場合の効果は同じです。
Voice(声成分)
- Gain(ゲイン): 分離された声信号のレベル(単位はdB)を調整します。
- Sensitivity(感度): 分離アルゴリズムにより声と判断される入力信号の分量を決定します。
- ここの値が低いと分離アルゴリズムが入力信号からボーカル成分を判断する基準が厳しくなります。この場合、他のミックス成分が“ブリード”としてボーカル成分に混入し辛くなりますが、引き換えに不自然な加工音が発生し、ボーカルの明瞭さが損なわれます。
- ここの値が高いと分離アルゴリズムが入力信号からボーカル成分を判断する基準が緩くなります。この場合、他のミックス成分が“ブリード”としてボーカル成分に混入し易くなります(例:打楽器成分がボーカル信号にリーケッジとして混入)。しかしながら、他のミックス成分からのブリードは不自然な加工音を減らし、低い感度値で発生し得る明瞭さの欠如を防ぎます。
- ここの値が低いと分離アルゴリズムが入力信号からボーカル成分を判断する基準が厳しくなります。この場合、他のミックス成分が“ブリード”としてボーカル成分に混入し辛くなりますが、引き換えに不自然な加工音が発生し、ボーカルの明瞭さが損なわれます。
Bass(ベース成分)
- Gain(ゲイン): 分離されたベース信号のレベル(単位はdB)を調整します。
- Sensitivity(感度): 分離アルゴリズムによりベースと判断される入力信号の分量を決定します。
- ここの値が低いと分離アルゴリズムが入力信号からベース成分を判断する基準が厳しくなります。この場合、他のミックス成分が“ブリード”としてベース成分に混入し辛くなりますが、引き換えに不自然な加工音が発生し、ベースの明瞭さが損なわれます。
- ここの値が高いと分離アルゴリズムが入力信号からベース成分を判断する基準が緩くなります。この場合、他のミックス成分が“ブリード”としてベース成分に混入し易くなります(例:打楽器成分がベース信号にリーケッジとして混入)。しかしながら、他のミックス成分からのブリードは不自然な加工音を減らし、低い感度値で発生し得る明瞭さの欠如を防ぎます。
- ここの値が低いと分離アルゴリズムが入力信号からベース成分を判断する基準が厳しくなります。この場合、他のミックス成分が“ブリード”としてベース成分に混入し辛くなりますが、引き換えに不自然な加工音が発生し、ベースの明瞭さが損なわれます。
Percussion(打楽器成分)
- Gain(ゲイン): 分離された打楽器信号のレベル(単位はdB)を調整します。
- Sensitivity(感度): 分離アルゴリズムにより打楽器と判断される入力信号の分量を決定します。
- ここの値が低いと分離アルゴリズムが入力信号から打楽器成分を判断する基準が厳しくなります。この場合、他のミックス成分が“ブリード”として打楽器成分に混入し辛くなりますが、引き換えに不自然な加口音が発生し、打楽器の明瞭さが損なわれます。
- ここの値が高いと分離アルゴリズムが入力信号から打楽器成分を判断する基準が緩くなります。この場合、他のミックス成分が“ブリード”として打楽器成分に混入し易くなります(例:ボーカル成分が打楽器信号にリーケッジとして混入)。しかしながら、他のミックス成分からのブリードは不自然な加工音を減らし、低い感度値で発生し得る明瞭さの欠如を防ぎます。
- ここの値が低いと分離アルゴリズムが入力信号から打楽器成分を判断する基準が厳しくなります。この場合、他のミックス成分が“ブリード”として打楽器成分に混入し辛くなりますが、引き換えに不自然な加口音が発生し、打楽器の明瞭さが損なわれます。
Other(その他の成分)
- Gain(ゲイン): 分離されたその他の信号のレベル(単位はdB)を調整します。
- Sensitivity(感度): 分離アルゴリズムによりボーカルでもベースでも打楽器でのないと判断される入力信号の分量を決定します。
- ここの値が低いと分離アルゴリズムが入力信号から他の主要3成分に当たらないと判断する基準が厳しくなります。この場合、他の主要3成分が“ブリード”としてその他の成分に混入し辛くなりますが、引き換えに不自然な加工音が発生し、明瞭さが損なわれます。
- ここの値が高いと分離アルゴリズムが入力信号から他の主要3成分に当たらないと判断する基準が緩くなります。この場合、他の主要3成分が“ブリード”としてその他の成分に混入し易くなります。しかしながら、このブリードは不自然な加工音を減らし、低い感度値で発生し得る明瞭さの欠如を防ぎます。
- ここの値が低いと分離アルゴリズムが入力信号から他の主要3成分に当たらないと判断する基準が厳しくなります。この場合、他の主要3成分が“ブリード”としてその他の成分に混入し辛くなりますが、引き換えに不自然な加工音が発生し、明瞭さが損なわれます。
Separation Algorithm(分離アルゴリズム)
音楽再バランスモジュールには以下の分離アルゴリズムが用意されています。
Channel Independent(チャンネル独立式)
このモードが選択されていると、分離アルゴリズムは入力オーディオ信号に対してのみ独立して適用されます。チャンネル独立式モードは、最速の分離アルゴリズムです。これは、RXオーディオエディターで音楽再バランスモジュールを使用する際に、リアルタイムの試聴と処理速度が最も効果的なモードです。
Joint Channel(チャンネル結合式)
このモードが選択されていると、入力オーディオ信号に対し、ミックス成分の分離を判断する前に、ジョイントチャンネル処理が施されます。これは、チャンネル独立式と比べると分離結果の品質が高く、特に両チャンネルに類似するコンポーネントを持つステレオファイル(相関性の高い、強いステレオイメージ)の処理に秀でています。
Advanced Joint Channel(高度チャンネル結合式)
このモードが選択されていると、入力オーディオ信号に対し、ミックス成分の分離を判断する前に、ジョイントチャンネル式で高度な処理が施されます。これは最も高品質の分離結果をもたらすモードであり、特に高サンプルレートのファイルの処理、あるいはA440音階にチューニングされていない音楽コンテンツの処理に秀でています。このモードは他の2つのモードと比較すると、より長い処理時間を必要とします。処理時間に重きを置く場合、品質は落ちるものの処理時間の速いチャンネル独立式を選択するのも一計です。
試聴機能
Reduced Quality Preview Mode(低質試聴モード)
RX 7オーディオエディターの他の多くのモジュールの試聴機能とは異なり、音楽再バランスは低質試聴モードを活用します。詳細についてはReduced Quality Preview Modeの項をご参照ください.
音楽再バランスAudiosuiteプラグインに関する注意点
Audiosuiteに試聴はありません
RX 7音楽再バランスAudiosuiteプラグインには、レンダリング前に処理の試聴をする機能はありません。