Waveform Statistics(波形の数値)
概要
波形の数値画面では選択範囲内の波形の情報が数値化されて表示されます。これはクリップなどの問題を発見し、修復するのに役立つ機能です。また、二つの選択範囲やファイルを比較する際にも便利な機能です。
波形の数値画面はアクティブなトラックの情報を更新しながら表示し、トラックタブを切り替える際も表示させたままにしておくことができます。
注
- アクティブなタブ上で範囲選択されていない場合、波形の数値画面にはファイル全体の数値情報が表示されます。
- 波形の数値画面には、選択範囲の全帯域を前提とした情報が表示されます。これは、波形の数値画面が時間に対する範囲選択をベースとしていることを意味し、選択範囲が特定の周波数帯のみであっても、時間範囲指定に対し全周波数の数値を表示します。
- 読み出し数値の隣にあるカーソルアイコンを選択すると、プレイヘッドがファイル内のそのレベルが検出された位置へ移動します。
操作項目

- TRUE PEAK LEVEL(真正ピーク値): これは検知された最高値です。これはサンプル間の信号レベル(ISPまたはインターサンプルピーク)を含みます。
- SAMPLE PEAK LEVEL(サンプルピーク値): 選択範囲内のデジタルサンプルの最大値です。
- MAX. RMS LEVEL(最大RMS値): 選択範囲内で検出されたRMSの最大値です。
- MIN. RMS LEVEL(最小RMS値): 選択範囲内で検出されたRMSの最小値です。
- TOTAL RMS LEVEL(合計RMS値): 選択範囲内全体のRMS値です。
- POSSIBLY CLIPPED SAMPLES(クリップした可能性のあるサンプル数): 真正ピーク信号レベルが0 dBFSを越えたサンプルの数。
- DC OFFSET(DCオフセット): フルスケースのパーセントに於けるDCオフセットの量。カーソルを使用するとこの値がデシベルで表示されます。
- MAX. MOMENTARY LOUDNESS(瞬間最大音量): 瞬間最大音量はK加重のオーディオ信号が400-msウィンドウで計算され、BS.1770で定義されます。
- MAX. SHORT-TERM LOUDNESS(短期間最大音量): 短期間最大音量は3000-msウィンドウで計算され、BS.1770で定義されます。
- INTEGRATED LOUDNESS(統合音量): 統合音量を表示します(BS.1770-2で定義)。ラウドネスモジュールでの設定状況によりここの数値の水準がBS.1770-1に変わる場合があります。
- LOUDNESS RANGE(音量幅) (LRA): 音量幅を表示します(BS.1770-2で定義)。この値は、選択範囲内のオーディオレベルのダイナミクスを表します。
更なる情報
- 真正ピーク: 真正ピーク値はDA変換後のアナログ波形の予測ピーク値を反映します。これはBS.1770-3基準により算出された数値です。オーバーサンプルのフィルターは基準が統一されていないため、ソフトウェアによってこの真正ピーク値は異なる場合があります。
- RMS: RXは50-msウィンドウ(100-msのハン・ウィンドウ)を使用の上RMSを計測し、”フルスケースのスクウェア波 = 0 dB RMS”をリファレンス値とします。他のソフトウェアではRMS値が3 dB高く表示されることがあります。