Ambience Match(アンビエンスマッチ) [ADV]

言語:
モジュール&プラグイン [AudioSuiteのみ]

概要

Ambience Match(アンビエンスマッチ)モジュールは異なるレコーディング間のノイズフロアーをマッチさせる機能です。例えば、ADRトラックのライブセットのアンビエンスを再現することなどが可能です。

このモジュールは、ノイズ除去のノイズプリント機能のように、レコーディングのノイズフロアーを分析し、そのスナップショットを作成します。その上で、このノイズプリントと同様のノイズを別のレコーディング上に生成することができます。

アンビエンスマッチで分析を行うにはノイズのみの箇所を範囲選択します。ノイズのみの箇所がない場合、あるいは作業時間を短縮したい場合は、声音のある部分で代用することができます。アルゴリズムにより、ノイズプリントから声音は除外され、ノイズのみを残します。

Ambience Match user interface

ワークフロー

RXオーディオエディターでアンビエンスマッチモジュールを使用する

アンビエンスマッチの使用の上達には、未加工のノイズが最適です。もし、未加工のノイズがなく、作成する時間もない場合は、話声でも代用できます。アルゴリズムにより、声音がインテリジェントに切り取られ、ノイズプリントにノイズ的な音声のみを残します。

選択範囲間でアンビエンスをマッチさせるには:

  1. モジュールリストよりアンビエンスマッチモジュールを開きます。
  2. ファイル内で範囲選択をします。
  3. Learnをクリックします。
  4. 別の範囲選択をします。
  5. トリムレベルを調整します。トリム操作では生成されるアンビエンスのレベルを調節します。
  6. 始めの選択範囲のアンビエンスのみと置き換える場合はOutput Ambience Onlyを選択します。
  7. Processをクリックします。

アンビエンスマッチモジュールでは、選択範囲で既存のアンビエンスを減量することはできません。増量のみ可能です。アンビエンスを除去する場合はノイズ除去をご使用ください (Spectral De-noise)。

アンビエンスマッチのプリセットの作成方法:

  1. アンビエンスマッチのプリセットのドロップダウンメニュー右側にあるギアアイコンをクリックします。
  2. Add Presetを選択します。
  3. 新しいプリセット名を入力します。
  4. Enterキーを押します。

アンビエンスマッチをAudioSuiteプラグインとして使用する

アンビエンスマッチはRXオーディオエディター内での使用の他に、AvidのPro ToolsやMedia Composer内でAudioSuiteプラグインとして使用することができます。

Pro ToolsまたはMedia Composerにてアンビエンスマッチを使用する際は、選択範囲、またはハンドル内にフェードの存在するオーディオを分析することはお勧めしません。アンビエンスマッチは最小共通点からアンビエントプロフィールを生成するため、フェードが存在すると、ノイズフロアーの検知に一貫性が欠落する可能性があります。アンビエンスマッチをクリップ毎のモードで使用すると、ハンドルは保持されます。

フェードを含むファイルでアンビエンス分析をする際の注意点

Pro Toolsで使用する際、同アプリケーションはセッションのビットデプスに応じてフェードにディザーを加えているため、マッチングの結果が不安定になる可能性があります。このディザリングノイズは素材のノイズプロフィールと適合しないため、アンビエンスマッチは正常に動作しません。16ビットでセッションを起動すると、フェードに加えられるディザーは検知アルゴリズムに影響を及ぼします。24ビット、または32ビットでは、この問題は発生しにくい傾向にあります。セッションのビットデプスの変更はPro Toolsの設定メニューにあるセッションにて行うことができます。