RX Spectral Editor
概要
Spectral AUdio EditorプラグインはARAと受賞歴を誇るRX Audio Editorの選択範囲に基づく編集ワークフローを組み合わせ、トラックに含まれる不要なサウンドをDAWから離れることなく特定し取り除きます。
Logic Proの中でSpectral Editorを使う方法
Spectral EditorはARA 2.0のプラグインとしてLogic Proの中でのみ使うことが出来ます。下記のステップでRX Spectral Editor (ARA)をプロジェクトに追加します。
- Logic Proが最新のバージョンであることを確認して下さい。RX Spectral Editor ARAプラグインはLogic Pro 10.5.1かそれ以降のバージョンでサポートされていますが、入手可能な最新のバージョンを使用して頂くことを推奨致します。
- RX Spectral Editor (ARA)をオーディオトラックの最初のインサートスロットに追加します。
- Logicでオーディオクリップを選択しプレイバックを開始すると、選択したクリップのスペクトログラムがSpectral Editor (ARA)プラグインの画面に表示されます。
- RX Spectral Editorのスペクトログラム上で範囲を選択します。
- 下記のいずれかの方法で選択範囲を処理します。
- 詳細設定パネルが閉じられている場合: AttenuateまたはReplaceボタンをクリックし、それぞれの処理を選択範囲に対して実行します。
- 詳細設定パネルが開いている場合: Process ボタンをクリックし、現在選択しているモードの処理を選択範囲に対して実行します。
10秒を超える選択範囲の処理について
水平方向のAttenuate、水平、垂直両方のAttenuate及びReplaceモードは10秒を超える範囲選択をサポートしていません。もし10秒を超える範囲を選択した場合、処理モードは自動的に垂直方向のAttenuateになります。
- セッション内の他のクリップのリペアを行う際は、そのクリップを選択してセッションをプレイバックして下さい。プレイバックが始まると新しく選択したクリップがスペクトログラムに表示されます。トリムされたクリップを選択した場合Logic上のクリップの表示と同じようにスペクトログラム上でも表示されます。
変更をスペクトログラムに反映させるにはプレイバックが必要です。
ARAプラグインはプレイバックが始まった時に更新されます。もし既にSpectral Editor上にロードされているクリップにトリム等の変更を加えた場合、セッションの再生を停止しクリップを選択した状態で再度プレイバックし始めるまでスペクトログラムは更新されません。
トラブルシューティング
RX Spectral Editor (ARA)がプラグイン一覧に見当たらない場合は下記の手順をお試し下さい。
- RX Spectral Editor (ARA)をオーディオトラックの最初のスロットにインサートしていることを確かめて下さい。
- AudioUnitのキャッシュを削除しプラグインを再スキャンして下さい:
- Logic Pro 10.5.1 – 10.6.2を使用されている場合: Logic Proを終了しFinderを開き、
~/Library/Caches/AudioUnitCache
を削除しLogic Proを再起動してプラグインを再スキャンして下さい。 - Logic 10.6.3以降のバージョンを使用されている場合: Logic Pro X > 環境設定 > プラグインマネージャ…をクリックし、ウィンドウの下部にある"Audio Unitのフルリセット"を選んでキャッシュをリセットし再スキャンを行って下さい。
- Logic Pro 10.5.1 – 10.6.2を使用されている場合: Logic Proを終了しFinderを開き、
- 後述のARAを使う際の制約と注意事項 のセクションにLogic ProでSpectral Editor (ARA)を使うためのより詳細な説明があります。
操作項目
Spectral Editorのスペクトログラムにクリップがロードされたら下記のコントロールが使えるようになります。
- 選択ツール: スペクトログラム上で選択するためのツールを決定します。選択ツールについてはインタラクティブツールの章をご参照下さい。
- Undo/Redo: Reverts/re-applies one processing step in your history.
Editing Copies of Clips
The Undo function in Spectral Editor will apply to all non-unique copies of a clip. If you wish to edit different copies of the same clip independently using Spectral editor, please bounce them first.
Undo History Warning
Undo history is cleared when a session is saved.
- リセット: 全ての変更を処理前の状態に戻します。
- Settings: Opens the plug-in General Settings menu.
- ヘルプ: インストールされているHTMLのヘルプドキュメントをデフォルトのWEBブラウザで開きます。
- モード: 選択範囲に適用される処理のタイプを選びます。
- Attenuate: 選択範囲内の情報を外の情報と比較して除去します。選択範囲内の異質な要素を周囲の情報と均質になるように変更しますが、Attenuateはオーディオの再生成は行いません。
- Replace: 音程を持ったオーディオにおいて音飛びなどの深刻な問題が発生している部分を再生成します。Replaceは選択部分のオーディオを周囲のデータから補完した情報に完全に置換します。
- Strength: 減衰量を調節します。 備考: このコントロールはAttenuateモードでのみ有効です。
- Region: 選択範囲の周辺の情報をどの程度広く使って補完を行うかを定義します。
- Weight: 選択範囲の前後どちらの情報をより重視するかの重み付けを行います。
- Direction: 現在の選択範囲に対してどの部分に位置する情報をリペア処理の材料として使用するか決定します。備考: Replaceモードでは常に水平方向の補完が行われます。
- 水平方向: 現在の選択範囲の左右の領域が補完に使われます
- 二次元: 現在の選択範囲の上下左右の領域が補完に使われます。
- 垂直方向: 現在の選択範囲の上下の領域が補完に使われます。
- Process: 現在の選択範囲に処理を適用します。
- リサイズ: クリック、ドラッグしてプラグインウィンドウのサイズを変更できます。
- Advanced Control Panelの表示/非表示: Attenuate及びReplaceモードの詳細設定パネルを表示/非表示します。
Tip: トラックパッドを使用してスペクトログラム上をナビゲートする
トラックパッドを使ってスペクトログラムを垂直方向にズームイン/アウトしたり、水平方向に早送り/巻き戻しすることが出来ます。
Logic Proのコンプテイクを扱う方法
Spectral EditorはLogicでコンピングされたテイクにも対応しています。コンプテイクを処理する場合はそのコンプを構成している個々のテイクを選択して処理する必要があります。
Logicでトラックの前面に表示されるコンプリージョンを選択してもスペクトログラムには表示されません。コンプリージョンを構成する各テイクを選択しプレイバックするとSpectral Editor上で扱えるようになります。
ARAを使う際の制約と注意事項
- Spectral Editor (ARA)は必ずトラックの最初のスロットにインサートして下さい。
- Spectral Editor (ARA)はソフトウェアインストゥルメントトラックやバスに追加することは出来ません。
- Spectral Editor (ARA)はLogicの選択ベース処理ではサポートされません。
- ホストのプリセットはSpectral Editor (ARA)ではサポートされません。
- オートメーションはSpectral Editor (ARA)ではサポートされません。
- オーディオデータを解析するためにはプレイバックが必要です。また、編集後に変更を反映するためには再生を停止し再度プレイバックする必要があります。
- Spectral Editor (ARA)でApple Loopsや圧縮オーディオ、Flexオーディオや逆再生リージョンを処理することは出来ません。これらのリージョンは一度バウンスすることでSpectral Editor (ARA)で扱えるようになります。
- Spectral Editor (ARA)をモノトラック上のステレオファイルに使うと無音を出力します。