Signal Generator(シグナル・ジェネレータ)
概要
シグナル・ジェネレータにより無音、音声、ノイズの生成が可能です。これはテスト音声やポスト・プロダクション用の キャリブレーションの音を作成、DCオフセットの修正、そしてダイアログの自主規制音を作るのに便利です。
シグナル・ジェネレータのモジュールは研究や試験を目的に、非常に正確なテスト音声を生成するのに優れています。
Silence(無音)
デジタルの無音信号を生成します。これにより無音スペースの調整を行えます。

DC Offset(DCオフセット)
DCオフセットの作成または除去を正負の値で設定します。
Tones(音声)
音声のタブから信号の生成ができます。

- TONE SHAPE(音声の形状): 音声の形状を設定することで生成する信号の波形を以下の内容から選択できます。 Sine(正弦波), Triangle(三角波), Sawtooth(ノコギリ歯), Square(方形波)。
- FREQ(周波数) 生成する信号の周波数をヘルツ(Hz)で設定します。
- AMP(振幅): 生成する信号の振幅をデシベル(dB)で設定します。
- ANTIALIASING(アンチエイリアス): 正弦波を除く、すべてのテスト音声の形状は周波数の組み合わせを無限に有
しています。アンチエイリアスが選択されていないとき、音声は時間軸に対して"飾り気のなさすぎる"方法で生成されま
す。これが高いハーモニクスでのエイリアスに繋がることがあり、往々にして望ましくない音質になります。
- アンチエイリアスの設定が有効のとき、高いハーモニクスはリニア位相のローパス・フィルターによってフィルタリン グされ、エイリアスの発生を防ぎます。これにより波形にリンギングが混ざることがありますが、サンプリング・レー トの半分の箇所に集中するため、通常は問題ありません。
- アンチエイリアスの質が高いほどフィルターの周波数カットは鮮明になり、必要なハーモニクスを保持しつつエイリア スの原因となるハーモニクスを除去できますが、それと引き換えに時間軸上のリンギングが増加したり、処理時間が遅 くなります。
- LEVEL(レベル): 生成する波形のピーク・レベルをdBFSで設定します。アンチエイリアスが有効だと、フィル ター・リンギングの影響により実際の音声とトゥルー・ピークは設定値を超える場合があります。
Noise(ノイズ)

様々な種類のノイズを任意のRMSレベルで生成しします。ノイズの種類は以下から選択できます。White Gaussian(ホワイ ト・ガウス・ノイズ), White triangular(三角波ホワイト・ノイズ), White uniform(一様分布ホワイト・ノイズ), White binary(ホワイト・バイナリ・ノイズ), Pink(ピンク・ノイズ), Brown(ブラウン・ノイズ)。
スペクトルの形状はノイズの色の名前で定義されています。ホワイト・ノイズは均一音量のスペクトル、ピンク・ノイズは 1オクターブごとに3dB減衰、ブラウン・ノイズは1オクターブごとに6dB減衰しています。
ガウス、三角波、一様分布、またはバイナリの定義はノイズの確率密度関数(PDF = Probability Distribution Function)に関係しています。これは信号内で違う振幅が発生する頻度を表しています。例えば一様分布のPDFにおいて、 ノイズ・ピーク値を下回る振幅の発生頻度はすべて等しくなっています。
- PASTING MODE(ペースト・モード): ペースト・モードの設定で、生成した信号を音声ファイルでどのように配置
するかが決まります。
- REPLACE(置き換え): 選択範囲の音声と生成した信号を完全に置き換えます。
- Mix(ミックス): 選択範囲の音声を残し、生成した信号を混ぜ合わせます。
- Insert(挿入) 任意で設定した秒数の分の長さの信号を、シグナル・ジェネレータが挿入します。そのため、音 声ファイル全体の長さはその分長くなります。
RX 9.3.0