Dialogue Isolate(ダイアログ分離)
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モジュール&プラグイン(Audiosuiteのみ)
概要
Dialogue Isolateでは人間の話す声と動きのある背景雑音(群衆の声や行き交う車の音、足音、雨音といった様々な特徴的音)を切り分けることが出来ます。特に、S/N比が非常に悪い音声録音から音声のレベルだけを引き上げるのに効果を発揮します。
Dialogue Isolateは膨大な音声とノイズのデータを教材にした機械学習アルゴリズムを用いており、自動的にダイアログとノイズを検出、分離してくれるため別個の信号として扱うことが出来ます。分離されたダイアログとノイズの音量はDialogue gainとNoise gainによって個別に設定することが出来ます。
操作項目
ダイアログ分離モジュールでは以下の操作項目が使用可能です。
Dialogue Gain(ダイアログのゲイン)
分離アルゴリズムによってダイアログと識別された音声成分のゲインをdBで調整します。
Noise Gain(ノイズのゲイン)
分離アルゴリズムによってノイズと識別された音声成分のゲインをdBで調整します。
Sensitivity
分離アルゴリズムによってどの程度の入力信号をダイアログと識別するか設定します。
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高い値に設定するとよりダイアログの定義を広くとり、より多くの情報をダイアログとして扱うようになります。より多くのノイズがレンダリング後の信号に残りますが、ダイアログのクリアさが保たれます。
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低い値に設定するとダイアログの定義を狭め、より少ない情報をダイアログとして扱うようになります。より多くのノイズが取り除かれるようになりますが、元の信号に無かった人工的な音が生じたりダイアログのクリアさが損なわれる可能性があります。
Quality
Dialogue Isolateモジュールでは下記のクオリティ設定を選ぶことが出来ます。
- Good: 処理が軽く高品質なモードです。分離の正確さよりスピードが優先される時に適しています。
- Best: 最も高品質なモードで、処理時間が増える代わりにDialogue Isolate自体によって生じるノイズが少なくより性格にダイアログだけを分離することが出来ます。
- Use legacy algorithm: RX 6から8で採用されていたアルゴリズムです。このモードはDialogue Isolateのオプションメニューで有効にすることが出来ます。
Separation Algorithm(分離アルゴリズム)
ダイアログ分離モジュールでは以下の分離アルゴリズムがあります。
Channel Independent(チャンネル独立式)
このモードを選択すると、分離アルゴリズムは入力信号のそれぞれのチャンネルに個別に適用されます。最も低負荷なアルゴリズムで、プレビューも快適に行うことが出来ます。
Joint Channel(チャンネル連結式)
このモードを選択すると、ダイアログとノイズの分離を行う前に入力の各チャンネルを連結させます。Joint channelモードはChannel Independentモードと比べてより高品質な分離を実現します。特に、両チャンネルに似たような情報を含むステレオファイル(相関性の高い、強いステレオイメージを持つファイル)に対して効果的です。
Advanced Joint Channel(高度チャンネル連結式)
このモードを選択すると、ダイアログとノイズの分離を行う前に入力のチャンネルを連結した上でより高度な処理を行います。Advanced Joint Channelモードは最も高いクオリティの分離を実現します。特にサンプリングレートの高いファイルで有効です。このモードは他の2つのモードと比較してより長い処理時間を必要とします。もし処理時間を短縮したい場合は代わりにChannel Independentモードをご使用下さい。
Preview(視聴)機能について
低音質プレビュー・モード
その他のRX 9オーディオ・エディターのモジュールと異なり、布擦れ除去モジュールは低音質プレビュー・モードで視聴を 行います。詳細は低音質プレビュー・モードをご覧ください。
Audiosuiteにはプレビュー機能はありません
RX 9 Audiosuiteのダイアログ分離機能ではレンダリング前に視聴を行うことができません。
代替モジュール
ダイアログ分離機能はヒス、バズ、ライン・ノイズなどの定常ノイズの処理も十分な効果を発揮できますが、もし上手くい かない場合はSpectral De-noise(スペクトル・ノイズ分離)モジュールも試してみてください。