Voice De-noise(声音ノイズ除去)

モジュール&プラグイン

概要

Voice De-noise(声音ノイズ除去)機能は直観的な操作で様々な音声に対して、高品質なノイズ除去をゼロ・レイテンシー で行えるツールです。声音ノイズ除去機能は信号を的確に分析し、信号に対する最適のスレッショルド曲線を算出します。 DAWでは、この機能はオートメーションを書いて使用することもでき、それによりモジュールによる自動除去ではなく、手 動でノイズのスレッショルドを決めて操作する事が可能です。

声音ノイズ除去のどのようにして処理を行うか

  • 64つの心理音響的な感覚をつかさどるバンドパス・フィルター・モジュールが一連のマルチバンド・ゲートとして機能 し、任意のスレッショルド値に応じて信号のフィルタリングを行います。
  • 信号成分がスレッショルドを上回る場合、信号はフィルターを通過します。(処理を行いません)
  • 信号成分がスレッショルドを下回る場合、信号は減衰されます。(処理が適用されます)

操作項目

Voice De-noise Module Interface
  • ADAPTIVE MODE(適用モード): 入力信号を分析し、ノイズ・フロアの変化を補正する形でノイズのスレッショルド を自動的に設定します。この機能はノイズの連続する箇所があったり、ノイズ・フロアの変化が多い音声に対して便利 で、ほとんどすべてのダイアログや話し声の音声に対して多大な効果を発揮します。

    適用モードで考慮すべき点

    • 適応モードでのノイズのスレッショルド設定は、Learn機能を使用したときと異なる場合があります。
    • これは絶えず調節が行われる適用モードのスレッショルドにより、アーティファクトの発生が抑えられるようスレッショ ルドを低めに設定するためです。

  • LEARN(分析): マニュアル・モード(適用モードが有効でない状態)のとき、“Learn"ボタンでノイズ情報を分析 してノイズ・スレッショルドを設定します。

    ヒント:ノイズ・プロファイルの分析

    • オーディオ内のノイズのみが含まれる箇所を探し、その箇所に分析を行ってください。
    • 選択範囲が長いほど、スレッショルドの操作点の配置は理想に近づきます。
    • ノイズ・プロファイルの習得には少なくとも1秒以上のノイズを分析することをお勧めします。

  • OPTIMIZE FOR DIALOGUE OR MUSIC(ダイアログまたは音楽に最適化) ダイアログは単発的な音、ボーカルは伸びの ある音になる傾向がありますので、このモードによりそれぞれの状況に合った良い処理結果が得られるようにしていま す。
    • Optimize for DIALOGUE(ダイアログに最適化) を選択することでノイズの変化に素早く反応します。すなわち ボーカル内のノイズ検出には不向きです。
    • Optimize for MUSIC(音楽に最適化) を選択する事で伸びのある音の減衰を行わないようにするため、ボーカル に対し使いやすくなります。
  • FILTER TYPE(フィルター・タイプ): フィルター・タイプを変更することでノイズ除去フィルターの帯域幅が変わ ります。
    • SURGICAL Mode(精密モード): “Gentle"モードよりも多くの不要なノイズを除去できますが、音質が損なわれた りアーティファクトの発生につながる場合があります。

      音楽的ノイズとは

      音楽的ノイズとはサブバンド・ゲートのトリガーを偶発する、ノイズ・スペクトラムのランダム統計変動により発生し ます。このノイズ、すなわちアーティファクトはノイズ・リダクションの過程で発生し、小鳥のさえずりのような、水 中のような音と表現されています。

    • GENTLE Mode(緩やかな処理モード): “Surgical"モードよりも透明感のあるノイズ除去処理になりますが、ハ イ・エンドのシューと鳴るノイズが残留場合があります。
  • THRESHOLD NODES(スレッショルド操作点): 周波数スペクトル画面上のスレッショルド操作点でスレッショルド曲 線を変化させることができます。これはノイズ・ノイズプロファイルと同義です。これら6つの点を信号内に含まれるノ イズに合わせて手動で操作できます。場合によってはオートメーション化してノイズ・フロアの変化に対応させることも 可能です。
    • 適用モードでは、スレッショルドの操作点は自動的にリアル・タイムで調整されます。
    • マニュアル・モードでは、インターフェースの任意の場所をクリック、ドラッグすることで1つまたは複数のス レッショルド操作点を選択し、手動調整を行うことができます。
  • THRESHOLD(スレッショルド): スレッショルドのマスター・コントローラーです。すべてのスレッショルド操作点 のオフセットの値を一括で変更します。処理が過剰だったり、処理したくない音まで影響が及んでいる場合は、この項目 を調整してください。
  • REDUCTION(減少量) 信号成分がスレッショルドを下回ったときのノイズ減少の最大深度をdBで設定します。スレッ ショルドの設定が適切であるにもかかわらず処理が好ましくないと感じる場合は、この項目を調整してください。
  • メーター
    • Inputのスペクトル・メーターはノイズ除去フィルターの入力信号レベルを表します。
    • Outputのスペクトル・メーターはノイズ除去フィルターの出力信号レベルを表します。
    • 減少ゲイン量を表すのは入力と出力の間に表示されているスペクトルです。これにより信号に適用されたノイズ減 少量を表示します。

Voice De-noise Plug-in(声音ノイズ除去プラグイン)

声音ノイズ除去機能はDAWまたはNLEのトラックにインサートして、ノイズの変化にゼロ・レイテンシーで適応し、高い効率 性で処理を行うよう設計されています。Spectral De-noise(スペクトル・ノイズ除去)プラグイ ンではより多くのリソースとレイテンシーが発生します。(そのため、リアル・タイム除去では声音ノイズ除去プラグイン のほうがより効果を発揮できるでしょう)


RX 8.5.0