De-plosive(破裂音除去)

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概要

破裂音とは発声の最中に声道の空気の流れが止まることで生じる声の子音です。声道の詰まりが解消されると可聴の圧力 解放が発生し、これが破裂音となります。一般的には、ボーカルやダイアログを録音する際、高圧の破裂音信号がマイクの ダイアフラムと接触することで発生するポップ効果を軽減させるため、スタジオではポップ・フィルター、ロケ地ではウィ ンド・フィルターが使用されています。

破裂音除去機能ではダイアログの基本周波数成分とハーモニクスを維持しながら入力信号内の破裂音を的確にに識別、分 離、除去することができます。

操作項目

以下のセクションで破裂音除去で使用する操作項目を説明しています。

De-plosive module

Sensitivity(感度)

入力信号内で破裂音と分類される信号の量を調整します。感度調整は単に"Strength"(強さ)を高く設定するよりも、全体 的な破裂音除去に大きな効果があります。

  • 低い値にすると 検知アルゴリズムで破裂音と定義する幅を狭めます。これにより破裂音の全体的な除去量は減りま すが、音声信号の品質は保たれます。
  • 高い値にすると 検知アルゴリズムで破裂音と定義する幅が広がりますので、必要な音声信号も破裂音として定義さ れてしまう可能性があり、結果として破裂音と共に除去されることになります。

Strength(強さ)

検知された破裂音信号に適用される除去の度合を調整します。数値が高いほど破裂音は大幅に減少しますが、音声信号の品 質と明瞭さを失う可能性があります。音声の信号を維持しつつ破裂音を減らしたい場合は、“Sensitivity”(感度)を上げ つつ"Strength"(強さ)を減らしてみてください。

Frequency Limit(周波数上限) [Hz]

破裂音除去の周波数上限を設定します。破裂音は通常、20Hzから300Hzの間に出現しますが、時として500Hzまで及ぶことも あります。この設定を破裂音が入力信号内で発生している帯域のすぐ上にすると、破裂音が発生している帯域の上にある信 号への不要な除去処理を抑えることができます。

スペクトル画面で破裂音を特定するには

スペクトログラムを使って入力信号内の破裂音の最高周波数を特定するのに役立ちます。破裂音はマイクのダイアフラムに 空圧による小さなバーストがぶつかることで発生し、結果としてその部分の振幅が高まります。スペクトルで使用する色は 信号の振幅を表しています。暗い色調は低い振幅を意味し、明るく鮮やかな色調は高い振幅を意味します。破裂音は通常、 周囲の音声成分と比べて明るく表示されます。

推奨:ハイパス・フィルターを適用する前に破裂音除去機能を使うこと

破裂音除去機能では20から80 Hzの間にある破裂音の検知を行います。入力ファイルに対して既にハイパス・フィルターに よる処理が行われていると、破裂音検知が正常に動作しない可能性があります。最良の結果を得る上で、ハイパス・フィル ターを使用する前に破裂音除去を使用することを推奨します。


RX 8.5.0