Phase(位相)

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概要

位相モジュールは位相を回転させる事により、不均一な波形のバランスを整えます。位相の回転はピーク値の変更を伴いますが、音量は変わらず、聴感上も信号に影響はありません。

操作項目

Phase Module

Adaptive Phase Rotation(位相回転の自動適用)

連続的に選択範囲を分析し、左右両チャンネルに対し時間可変の位相回転を適用します。これにより最小限のピークレベルでシンメトリーな波形が実現します。

この機能はボーカル素材に最適ですが、稀に音楽的な素材にピッチ上の人工音を付与してしまう事があります。

Rotation(回転度数)(deg)

このパラメーターは位相回転の角度を調節します。

波形の位相が回転すると、全周波数も同様に回転します。180度の回転は波形を逆相にする事を意味します。

Suggest(推奨値を分析)

信号の全体的なピーク値を削減する上で最適なチャンネルバランスの設定を分析します。

更なる情報

不均整な波形は、会話や声、そして金管楽器などの録音で発生する場合があります。

  • 波形をシンメトリーに近づけるとヘッドルームを稼ぐ事ができます。
  • 波形の位相を転換すると、振幅的な特徴が変わります。ただし、これにより時間軸上の変更は為されません。
  • -180から+180度まで回転できる為、位相ツールは信号の極性転換など、実利目的に最適のツールと言えます。

位相回転の実例画像

上の図は片側にピークが偏ったトランペットの波形です(これは波形が不均整であることを意味します)。

下の図は位相を-72度回転させ、ピークをより平均化した波形です(これにより、波形はシンメトリーに近い状態になりました)。

before and after