イメージャー

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概要

Ozoneのイメージャーモジュールは、マルチバンドのステレオイメージング機能によりミックスのステレオ幅の調節ができます。Ozone 8 Advancedではイメージャーをコンポーネントプラグインとして使用することもできます。

Imager module

操作項目

Band Width(帯域幅)

各バンドに対しイメージャーにより適用されるステレオ幅の分量を調整します。数値が高い程ステレオ幅が広がり、マイナス値になるとより幅が狭まります(-100は実質的にモノとなります)。

Enable Stereoize(ステレオ化の有効)

ステレオ幅の狭い録音素材に、自然な音でステレオ幅を広げる効果を持つステレオ成分を付加します。

Stereoize Amount(ステレオ化分量)

ステレオ幅スライダーと組み合わせてこの分量を調節することで、ステレオ効果の性質を操作することができます。このステレオ化効果は完全にモノ互換となっておりますので、オーディオにステレオ幅を持たせたとしても、不快な人口音を付加することなくモノとして再生することができます。

ここが有効化されると、全バンドに対するWidthの操作がリンクされます。リンク後に特定のバンドでWidthの操作をすると、他のバンドも同じ分量だけ変化します。

メーター

Vectorscope(ベクトロスコープ)

ベクトロスコープで信号のステレオイメージを描写します。ここではイメージャーの信号チェーンにおける位置に関わらず、Ozoneの最終的な出力がモニターされます。このモジュールでステレオ音像の間隔を確認することができ、設定次第でその幅を狭めたり広げたりできます。ベクトロスコープには3種類の表示オプションがあり、これはスコープ下のタブで切り替えることができます:

Polar Sample Vectorscope(両極サンプルベクトロスコープ)

Imager Lissajous vectorscope

Polar Sample Vectorscopeはサンプル毎にドットをプロットしますが、極座標を基にした表示方法を採りますので、入力信号のステレオイメージをハイライトする上でより便利な機能です。45度以内に表示されるパターンは正相にあることを意味しますが、その45度線から外れたパターンは位相ずれを意味します。Polar Sample Vectorscopeでは履歴として表示される過去の点がゆっくりとフェードアウトします。直近の数秒間のオーディオ情報が表示され、データ点は徐々にフェードアウトして行きます。メーター上をリクリックすると、画面表示をリセットすることができます。

Polar Level Vectorscope(両極レベルベクトロスコープ)

Imager Polar Level vectorscope

録音素材のステレオ熱量はPolar Level Vectorscopeで明確に表示されます。ここでは極座標に表示される点は平均サンプルとなります。光線の長さは振幅度合いを示しており、光線の角度でステレオ位置を表します。45度以内に表示される光線は同位相にあることを意味しますが、その45度線から外れたパターンは異相を意味します。Polar Level Vectorscopeでは時間に対し、プロットされた層が緩やかに縮まることで経緯が表示されます。層はベクトロスコープ中央に向かって縮まり、外郭部分をリアルタイム分析のためのスペースをとして確保します。

Lissajous Vectorscope(リサージュベクトロスコープ)

Imager Lissajous vectorscope

Polar Sample Vectorscope同様にLissajous Vectorscopeもサンプル毎に点をプロットしますが、全体が伝統的なオシロスコープのような表示画面となります。通常、Lissajous Vectorscopeは横ではなく縦に長いランダムのパターンでステレオ録音素材を表示します。 垂直方向の広がりは左右のチャンネルが似ていることを意味します(垂直の一本線で表示されるモノ信号に近いことを意味します)。水平方向のパターンは、2つのチャンネルに大きな違いがあることを意味しますので、モノ信号との互換性上の問題が発生する可能性があります。

Correlation Meter(相関メーター)

Imager Correlation Meter

相関メーターは左右のチャンネルの類似性(相関性)を+1/0/-1の垂直メーターで明示します。左右のチャンネルの類似性が高い程、メーターは最上部に近づきます。このため、左右のチャンネルが全く同じという極端な例では、相関性は+1となりメーターは一番上に振り切られた状態となります。左右のチャンネルの類似性が低いとメーターは下方へ振れます。例えば左右のチャンネルが完全に逆相という極端な例では、相関性は-1となり、メーターは底部まで振り切れます。

クリッピング

  • ベクトロスコープではクリップしたサンプルは赤で表示されます。
  • ベクトロスコープをダブルクリックするとメーター表示をクリアすることができます。

位相相関メーターに関する注

  • 一般的には、このメーターの値は0から+1の間に収まります。下方に表示される場合、必ずしも問題というわけではありませんが、モノ互換に問題が生じる可能性が指摘できます。
  • オーディオのマルチバンドステレオ幅を広げると、左右のチャンネル間が広がり、より類似性が薄まるため、位相相関メーターはより下半分へ近づく傾向にあります。

ミニメーター表示

イメージャーの操作エリア上部にミニメーター表示があります。

Stereo Width Spectrum(ステレオ幅スペクトラム表示)

width spectrum

信号のステレオ幅がミラーリングされたハイブリッドのスペクトラム表示です。このメーターが使用できるのはイメージャーのみです。

Correlation Trace(相関性トレース表示)

width spectrum

この表示オプションでは、スクロール形式で、画面に入力信号のステレオ相関性がリアルタイム表示されます。プラス数値(同位相)は水色で、マイナス数値(異相)は赤で表示されます。

Crossover(クロスオーバー)

crossover spectrum

この画面では、スペクトラルアナライザーとマルチバンドクロスオーバーの操作項目が表示されます。詳細はモジュールの標準的な操作項目の章をご参照ください。