全般的な操作項目
目次
概要
全体的な操作項目はプラグイン全体または各モジュールのみに影響を与えます。
以下の項目は プラグイン全体 に影響します。
以下の項目は 各モジュール に対してのみ影響します。
ウィンドウのサイズ変更
プラグイン右下の角をクリック&ドラッグすることで、メインウィンドウのサイズ変更をすることが出来ます。Neutron 4のマザーシッププラグイン、コンポーネントプラグイン、そしてVisual Mixerでサイズ変更が可能です。
マザーシップのグローバルコントロール
Neutron 4マザーシッププラグインのヘッダーには以下の図と表にあるプラグイン全体を操作する機能と項目があります。
- プラグインインスタンスの名前: プラグインの表示名を決めます。IPC対応するiZotopeプラグインのリストには、ここで決められた名前が表示されます。
- Assistant View(簡易設定画面): Assistant Viewを開きます。詳細はAssistant の章をご参照下さい。
- Detailed View(詳細設定画面): Detailed Viewを開きます。それぞれのモジュールに対しより細かい設定を行うことが出来ます。
- プリセットマネージャ: プリセットマネージャーウィンドウを開きます。詳細はPresets の章をご参照下さい。
- アンドゥ履歴: アンドゥ履歴 ウィンドウを開きます。アンドゥ履歴では編集履歴内の特定の設定と現状を比較することが出来ます。詳細は アンドゥ履歴 のセクションをご参照下さい.
- ゼロレイテンシー: ゼロレイテンシーを有効にします。有効になっているときは以下の制限が発生しますのでご注意下さい。リミッターモード、Sculptorモジュール、Unmaskモジュールが使えなくなります。またマルチバンド処理を伴うモジュール(Compressor 1&2、Transient Shaper、Exciter)ではクロスオーバーのタイプが「Zero Latency (Analog)」に固定されます。
- オプション: Neutronのオプションウィンドウを表示します。詳細はOptions の章をご参照下さい。
- ヘルプ: Neutronのマニュアルをお使いのデフォルトWEBブラウザで表示します。
アンドゥ履歴の操作
アンドゥ履歴 ウィンドウでは、現在開いているNeutronインスタンスにおける過去の設定の状態を比較することが出来ます。アンドゥ履歴のリスト からアイテムを選んでクリックするとインスタンスのパラメータがその時の状態に巻き戻ります。以下の表は、アンドゥ履歴ウィンドウでの操作項目をまとめたものです。
ボタン | 説明 |
---|---|
CLEAR | 履歴のリストを全て削除します。 |
CLOSE | 編集履歴のウィンドウを閉じます。閉じる前に選択した編集状態に戻り、そこから新たに編集履歴が更新されていきます。 |
SETS | 4つのボタン(A/B/C/D)で4つのアンドゥ履歴リストの中の編集状態をスナップショットします。これは、異なる設定を比較するのに便利な機能です。使用方法: リストからキャプチャしたい項目を選択します。A/B/C/Dボタンの上にある「Set」をクリックします。スナップショットされたボタンをクリックして、過去の設定状態に切り替えます。 |
シグナルチェイン
シグナルチェインでは以下のモジュールを追加、削除し並べ替えることが出来ます。
Signal chain limitations
ほとんどのモジュールはシグナルチェインに重複して追加することが出来ません。シグナルチェインに既に配置されているモジュールはモジュールメニュー内でグレーアウトされます。 シグナルチェインにおいて2つ使用できるのはCompressorモジュールのみです。
以下の表はシグナルチェインでの操作項目をまとめたものです。
アイコン | 操作 | 説明 |
---|---|---|
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追加 | + ボタンをクリックするとモジュールメニューが開きます。ここでモジュールを選択するとシグナルチェインの最後に追加されます。 |
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オン/オフボタン | モジュールのオン/オフボタンをクリックすると、そのモジュールをバイパスすることが出来ます。 |
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モジュールプリセット | 当該モジュールのプリセットマネージャーを開きます。詳細は Presets の章をご参照下さい。 |
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削除 | シグナルチェインからモジュールを削除します。 |
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並び替え | クリックしたまま左右にドラッグするとモジュールを並べ替えることが出来ます。 |
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Mix (Wet/Dryのミックス) | このスライダーでWet(エフェクト処理後)とDry(処理前)の信号のバランスを調節します。 |
入出力パネル
入出力(Input/Output)パネルでは、音量レベルの確認、ゲイン、ステレオ幅、パンニングの調節に加え、リミッターやチャンネルの設定が可能です。

- Limiter(リミッター): 出力信号でのトランジェントを保ちながら透明なリミッティングを施します。詳細はLimiter(リミッター) セクションをご参照下さい。
- Gain (入出力のゲイン): 入力/出力のゲインを調節します。リミッターは出力ゲインのレベル調節の後に適用されます。
- Bypass(バイパス): 有効にすると処理がバイパスされ、無効にすると処理が行われます。Bypassをオンにしている間はモジュールの設定を変更することは出来ません。
- Sum To Mono(モノ合算): ステレオ信号の左右のチャンネルの情報を合算しモノ信号を出力します。
- Pan(定位): 出力信号のパンニングを左右に振ります。ステレオインスタンスでのみ有効です。
- Invert Phase(位相反転): 信号の位相を反転させます。
- Width(ステレオ幅): ステレオ幅を調節します。値が低くなるほど音の幅が狭まり(-100%はモノ)、値が高くなるほど音のステレオ幅が広がります。ステレオインスタンスでのみ有効です。
- Swap Channels(チャンネルの左右入れ替え): ステレオ信号のLRのチャンネルを入れ替えます。
Limiter(リミッター)
BS.1770-2/3規格1 に対応したトゥルーピークリミッターで、出力信号にデジタルラウドネスマキシマイズ処理を施しつつ、モノラル/ステレオ/サラウンド・チャンネルすべてのトゥルーピークのクリッピングを防止します。
リミッターは出力ゲインスライダーの後に適用されます。出力ゲインスライダーによって、リミッターに入力される信号のレベルを上下させることが出来ます。
リミッターが有効になっている時、ゲインリダクションの動作は出力メーターの一番上にオレンジ色で表示されます。
以下の操作項目でリミッターの設定を行うことが出来ます。
リミッターが出力信号をリミッティングしている時、出力メーターにゲインリダクションの量がオレンジ色で表示されます。
Ceiling(シーリング)
オーディオ出力の最大レベルを設定します。設定したレベルを超えるピークは全てリミッティングされます。Ceilingは出力メーター上に表示されるオレンジ色のスライダーで、0dBから-20dBまでの範囲で設定することが出来ます。
Ceilingスライダーは以下の2つの方法で設定できます。
- Ceilingスライダーをクリックし上下にドラッグします。
- Ceilingの数値にカーソルをホバーさせた後、クリックしてそのまま上下にドラッグします。
Limiter Style(リミッタースタイル)
リミッティングのアルゴリズムを次の3つから選ぶことでソースに合わせた透明なりみってィングを行うことが出来ます。
キャラクター | 説明 |
---|---|
Clear | レスポンスの速いリミッターで、速いトランジェントのマテリアルに対し有効です。 |
Smooth | ClearとThickの間にある最も一般的で良い音が得られるモードで、ボーカルやダイアログを含むほとんどのマテリアルに適しています。 |
Thick | レスポンスのゆるやかなリミッターで、大きな爆発音の効果音やベース、低域といった、音圧があり動きの少ないソースに適しています。アグレッシブなリミッティングを行って音割れを起こしたくない時にご使用下さい。 |
Limiter Mode(リミッタモード)
3つの方法で最適化されたリミッターモードを選択します。アルゴリズムによって音質とレイテンシが異なります。
リミッティングアルゴリズム | 音質 | レイテンシー |
---|---|---|
IRC II | 透明 | 高めのレイテンシー: 48kHzで3772サンプルのレイテンシーがあり、リミッターを強くヒットした時でも最大限の透明度を担保します。特に、ローを音割れや歪みから守りながらラウドに保ちたい時に有効です。 |
IRC LL | 低レイテンシー | 低めのレイテンシー: 48kHzで最低120サンプルのレイテンシーで効率の良いパフォーマンスですが、高い音質を保ち放送基準のトゥルーピークリミッティングに対処出来ます。 |
Hard | ブリックウォール | ゼロレイテンシー: 最もレイテンシーの少ないアルゴリズムです。最終的な出力レベルがCeilingを超えることはありませんが、トゥルーピークには対応していません。 |
メモ: 低レイテンシーの重要性について
レイテンシー補正の制限などがある映像に合わせたミキシングの際やコントロールサーフェスを正しく反応させるためにも、低レイテンシーであることは同期ズレを回避するための重要な条件になります。
Limiter LFE(リミッターLFE)
5.1または7.1のサウンドトラックにインサートした時に表示されます。LimiterはいずれかのチャンネルのレベルがCeilingを上回った時にゲインリダクションを全てのチャンネルに対し等しく適用します。場合によってLFEチャンネルをゲインリダクションのトリガーから除外したりリミッターに引っかかるのを防いだ方が良いでしょう。
- Enabled(有効): LFEチャンネルがリミッターの入力に含まれ、リミッターの処理を受けるようになります。
- Disabled(無効): LFEチャンネルがリミッターの入力から除外され、またリミッターによりゲインリダクションを受けなくなります。
Nectarのアンマスクのソースになった時
NeutronがNectarのVocal Unmaskのソースとして選ばれVocal Assistantによってマスキングが検出された時、EQカットのカーブがNeutronの出力に適用されボーカルトラックとのマスキングを解決します。この時UnmaskコントロールボックスがNeutronインターフェースの入出力メーターの上に表示され、ボーカルトラックのマスキングを解決していることが明示されます。

お使いの Nectar のバージョンにより、異なるUnmaskコントロールがNeutronに表示されます。:
- Nectar Standard をお使いの場合: Unmask EQのオン/オフボタンがNeuronインスタンスに表示されます。
- Nectar Plus をお使いの場合: Unmaskボックスにはオン/オフボタン以外に詳細設定パネルが表示されます。詳細設定パネルには Neutronがマスキングを解決している Nectar Plus インスタンスの 名前 とUnmask EQカーブ、EQのカット量のコントロール、ダイナミックなUnmask EQのオン/オフ、外部サイドチェインのオプション(外部サイドチェインを有効にした場合)が含まれます。
入出力パネルメーター
入力/出力メーターはそれぞれ Peak と RMS の情報を表示します。
- Peak は白色で表示されます。
- RMS は明るいグレーで表示されます。
メーターの上に表示される数値は、それぞれPeak値とRMS値を表示します。
マルチバンドクロスオーバースペクトラムビュー
マルチバンド対応のモジュールでは、マルチバンド・クロスオーバー・スペクトラム・ビューにて各バンドの選択、調節、そして試聴が可能です。マルチバンド処理に対応しているモジュールは、 Compressor、Exciter、Gate、Transient Shaperです。各モジュールではスペクトラムを3バンドまでに切り分けて処理することが出来ます。
アイコン | 操作項目 | 説明 |
---|---|---|
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追加 | クロスオーバーカットオフのノードを追加するには、スペクトラムビューの上部にある操作バーにカーソルを当てて、表示された + ボタンをクリックします。クロスオーバーフィルターは3つまで追加できます。 |
![]() |
削除 | クロスオーバーカットオフのノードを削除するには、該当するバンド内にカーソルを当てて表示された x ボタンをクリックします。 |
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オン/オフボタン | バンドへの処理を有効/無効にします。 |
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ソロ | 選択されたバンドのみを聴くことが出来ます。 |
クロスオーバーカットオフの調節
マルチバンド処理におけるクロスオーバーのカットオフ周波数は以下の方法で調節できます。
- クロスオーバーハンドルのクリック&ドラッグ
- クロスオーバーハンドル上にカーソルをホバーさせます。
- 左クリックし左右にドラッグして位置を調節します。
- ドラッグしている時、ハンドルの下に表示される周波数の値を確認しながら設定して下さい。
- 周波数を数値入力
- クロスオーバーハンドルをダブルクリックすると、ハンドルの下に表示される周波数の値を直接出来ます。
- 周波数の値を入力します。
- enter または return キーを押して値を更新します。
NOTE: Crossover cutoff points are per-module
クロスオーバーのカットオフポイントは他のモジュールを共有できません。つまり、あるモジュールでカットオフポイントを調節しても、他のモジュールのカットオフポイントに影響を与えることはありません。
検出フィルタービュー
検出フィルターをオンにして、検出回路に入力される信号の周波数特性を調節します。検出フィルターが表示されている時、以下の表にある操作が可能になります。検出フィルターはCompressorモジュール と Gateモジュールのみ使用できます。
アイコン | 操作項目 | 説明 |
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オン/オフボタン | ONにするとサイドチェインフィルターが有効になります。デフォルトではオフになっています。 |
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ソロ | 有効にすると検出フィルターの出力を試聴することが出来ます。検出フィルターノードを調節する際に便利です。 |
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レゾナントフィルターノード | ローパスバンドとハイパスバンドのゲインと中心周波数を調節します。 |
レゾナントフィルターノードの調節
検出フィルタービューで表示されるレゾナントフィルターのノードで、周波数特性お好みの形に調節できます。
- ノードをクリックしたまま 上下にドラッグ して、ゲインを調節します。
- ノードをクリックしたまま 左右にドラッグ して、中心周波数を調節します。
ヒント:Compressorの検出フィルター
- 検出フィルターを調節することで、どの帯域に Compressor が反応しやすいか感度を調整することができます。Compressorをシングルバンドモードで使用する時に便利な機能です。
- 例えば: 低域の周波数よりも歯擦音や耳障りな周波数に対してCompressorを反応させたい場合、ハイパスフィルターで低域を除外し、レゾナントローパスフィルターで耳障りな周波数の辺りをブーストさせて、Compressorへの入力信号を調節します。
LFE (Low-frequency effects)
LFEボタンは、LFE チャンネルを含むサラウンド・トラック (5.1 または 7.1など) で Neutronを挿入した場合のみ表示されます。対応するサラウンド・サウンドのフォーマットについては、サラウンドサウンド のセクションをご覧ください。
モジュールのLFEボタンは、モジュールヘッダーに表示されています。
- LFEボタンを有効にすると、LFEがオーディオ処理に含まれます。初期設定でオンになっています。
- LFEボタンを無効にすると、LFEが処理から除外されます。また、オーディオがLFEチャンネルを通過する時にレイテンシー補正されます。
LFEロールオフフィルター
LFE信号が帯域制限されたサラウンドサウンドのミキシングする場合、24 dB/octaveのロールオフフィルターが役立ちます。このフィルターを使用するには、オプションメニューのMetering設定にアクセスしてください。フィルターを有効にして、カットオフのスロープを設定することができます。
メモ: LFEロールオフフィルター
LFEロールオフフィルターはサウンドトラック(5.1または7.1等)にNeutronをインサートした時にのみ表示されます。
サラウンドサウンド
Neutronは以下のホストDAWのサラウンドフォーマットに対応しています。モジュール内でLFE処理がバイパスになっていない限り、Neutronは全てのチャンネルに同じ処理を行います。
DAW | サラウンドフォーマット | チャンネル構成 |
---|---|---|
Pro Tools | Film | 1.0, 2.0, 3.0 (LCR), 4.0 (Quad), 5.0, 5.1, 7.0, 7.1 |
Logic Pro | DTS, ITU/SMPTE, SDDS | 1.0, 2.0, 4.0 (Quad), 4.0 (LCRS), 5.1 (ITU/SMPTE) |
Cubase | ITU/SMPTE | 1.0, 2.0, 3.0 (LRC), 3.0 (LRS), 4.0 (Quad), 4.0 (LCRS), 5.0, 5.1 |
Nuendo | DTS, ITU/SMPTE, SDDS | 1.0, 2.0, 4.0 (Quad), 4.0 (LRCS), 5.0, 5.1, 7.0 (cine), 7.0 (music), 7.1 (cine), 7.1 (music) |
Neutronのサラウンドサウンド設定では次の図の通り入出力パネルにLFEボタンとサラウンドサウンドメーターが表示されます。
