ゲート (Gate)
概要
Gateモジュールは、入力信号がThresholdを下回った時に、不必要な音を除去、または減衰させます。
モジュールインターフェース
Gateモジュールの操作項目と機能は以下の通りです。
モジュールヘッダー
モジュールヘッダの操作項目はGateモジュール全体に影響を与えます。

- マルチバンドクロスオーバービュー
- 検出フィルタービュー
- Learn(学習)
- Reset(リセット)
- LFE: ( 画像には表示されていません。サラウンドインスタンスのみの機能です )
マルチバンドクロスオーバースペクトラム
マルチバンドクロスオーバースペクトラムとパラメータを検出フィルタービュー
Learn(学習)
Learnボタンをクリックすると、マルチバンド処理のために自然なクロスオーバーポイントを探し始めます。その際には入力信号の周波数スペクトラムの中の最小値を特定する等のいくつかの基準が用いられます。最適なクロスオーバーポイントが見つかるとLearnボタンは自動でオフになります。Learnがオフになるとボタンがオレンジからグレーに切り替わります。Learn機能が動作している最中でも、Learnボタンを再度クリックすることで中止できます。
Reset(リセット)
Gateモジュールの全てのパラメータが初期設定に戻されます。ここからリセット前に使用していた設定に戻したい場合は、アンドゥ履歴 のウインドウで履歴リストからリセット前の項目を選択します。
LFE
LFEボタンは、LFE チャンネルを含むサラウンドトラック (5.1 または 7.1など) にNeutronをインサートした場合のみ表示されます。LFEを無効にすると、LFEチャンネルは必要に応じてレイテンシー補正され、他のチャンネルとの同期を保ったまま未処理の状態でモジュールを通過します。
メーターとディスプレイ
メーターとディスプレイは、Gateモジュールが入力信号に対してどのように反応/処理するかを表示します。

波形ディスプレイ
- 波形のスクロール表示: 入力信号と出力信号のゲインの時間変化を表示します。メーターは右から左にスクロールします(最新情報は右側に表示)。
- 入力波形: 入力信号の波形が 暗いグレー で出力(wet)信号の背景に表示されます。
- 出力波形: 出力信号の波形が 明るいグレー で入力(ドライ)信号の手前に表示されます。信号がゲート処理を受けた場合、入力からのゲインリダクションの量を視覚的に確認できます。
ゲインリダクショントレース
選択されたバンドに対し適用されるゲインリダクションの時間変化をラインで描画します。ゲインリダクショントレースを使ってモニタリングしながらアタックタイムとリリースタイムを設定して下さい。
パラメータ群
Threshold(スレッショルド)
ゲートの操作は Open Threshold とClose Threshold で行います。Thresholdのハンドルをクリック&ドラッグして調節してください。

- Open Threshold: ゲートが開いて信号が通過するレベルを設定します。入力信号がOpen Thresholdを 超えた時、ゲートが開いて信号が通過します
- Close Threshold: Open thresholdレベルよりも下に配置し、ゲートが閉じるレベルを設定します。これを ヒステリシス とも呼びます。入力信号がClose thresholdを 下回った 時、ゲートによる音が減衰が再開します。Close thresholdを 上下 させるとゲートの効果に影響します。Open thresholdよりも低い位置に設定することで、トリガーとなるスレッショルドに影響をあたえることなく長めのディケイが得られます。
ヒント: ゲートの不自然な挙動を避ける
意図しない音がOpen Thresholdで設定したレベルに近い場合、ゲートが頻繁に不自然に開閉してしまうことがあります。この挙動を抑えてくれるのがClose Thresholdです。信号がClose Thresholdを下回った時、Open Thresholdを改めて超える時までゲートを開きません。
HUD操作項目
GateモジュールのHUD(ヘッドアップディスプレイ)では以下の操作項目があります。

- Ratio: 入力信号がThresholdを下回った時に適用されるゲインリダクションの量を設定します。
- Attack: 入力信号がThresholdを上回った時に、ゲートが開くまでの時間(ミリ秒)を設定します。
- Hold: ゲートが一度開いた後にどれだけの間開いた状態を保つか(秒)を設定します。Holdの長さはReleaseタイムによって変化します。
- Release: 入力信号がClose thresholdを下回ってからゲートが閉じるまでの時間(ミリ秒)を設定します。
- ゲインリダクションメーター: 信号に適用されるゲインリダクションの量(dB)を表示します。
詳細設定
サイドチェインの操作項目は、HUDの詳細設定パネルに収納されています。詳細設定パネルを開くには、HUDコントロールの右側に表示されている三角矢印マークをクリックしてください。

サイドチェイン
Gateモジュールは、 検出回路 にルーティングされた別トラックからの信号でゲインリダクションをトリガーすることもできます。選択されたインターナル(Int.)、またはエクスターナル(Ext.)の入力信号がGateモジュールのトリガーとなります。サイドチェイン処理を行うことで、トラック同士のバランスを取ることが可能になります。
サイドチェインを有効にする
Sidechainボタンをオンにして、その下のドロップダウンメニューからインターナル(Int.)、またはエクスターナル(Ext.)のバンドを選択することができます。詳細は以下の通りです。
- インターナル (INT.):
- Gateモジュールで設定されているバンドを選択します。
- インターナルサイドチェインインプットは、別バンドのエネルギーをトリガーとして、選択しているバンドにゲインリダクションを適用します。例えば、低域のバンドがスレッショルドを超えた時にハイエンドを抑えることによって、ローエンドにアクセントをつけることができます。
- インターナルフル(Int Full)は、全バンドをトリガーとしてゲインリダクションを適用することができます。
- エクスターナル (EXT.):
- 別のトラックやバストラックを選択します。
- エクスターナルサイドチェインインプットは、他のトラックとのバランスを取るための便利なオプションとなります。
- また、バンドを選択することで、外部からのサイドチェイン入力からそのバンドのコンテンツだけを取り出してサイドチェインのトリガーとして利用することが出来ます。(例:Ext. Band 1を選択すると外部入力信号におけるBand 1の成分だけをGateのトリガーとして扱います。)