トランジェント・シェイパー (Transient Shaper)

概要

Transient Shaper(トランジェントシェイパー)は、音のアタックやサステインの特性に加工を施して、全体的なレベルを変化させることなく音に存在感を与えることができます。

モジュールインターフェース

Transient Shaperモジュールの操作項目と機能は以下の通りです。

Transient Shaper Module Interface

  1. メーターとディスプレイ
  2. モジュールヘッダー
  3. HUD操作項目

メーターとディスプレイ

メーターとディスプレイは、Transient Shaperモジュールが入力信号に対してどのように反応/処理するかを表示します。

Transient Shaper Meters and Displays
  1. マルチバンドクロスオーバースペクトラムビュー
  2. 波形ディスプレイ
  3. ゲインエンベロープトレース

マルチバンドクロスオーバースペクトラムビュー

マルチバンドクロスオーバースペクトラムビューを開きます。詳細はマルチバンドクロスオーバースペクトラムビューの項目をご参照下さい。

波形ディスプレイ

  • 入力波形: 入力信号の波形が 暗いグレー で出力(wet)信号の背景に表示されます。
  • 出力波形: 出力信号の波形が 明るいグレー で入力(ドライ)信号の手前に表示されます。

ゲインエンベロープトレース

エンベロープの設定に応じて適用されたゲインの量と入力信号を合成させたカーブがリアルタイム表示されます。

ヒント:ゲインエンベロープトレースでモニタリング

ゲインエンベロープトレース は、レスポンスタイム(AttackとRelease)を調節しながら適用されるゲインの動きを確認する時に便利です。また、エンベロープモードを変更して次のトランジェントが来るまでにエンベロープが0dBに戻るようにすることで最大限透明な効果を得ることが出来ます。

モジュールヘッダー

Transient Shaper Module Header
  1. エンベロープモード
  2. Learn(学習)
  3. Reset(リセット)
  4. LFE ( 画像には表示されていません。サラウンドインスタンスのみの機能です。 )

エンベロープモード

入力信号に適用するADSRエンベロープの種類を選択します。以下の3つから選ぶことが出来ます。

  • PRECISE: 次のトランジェントへのリカバリータイムが最も速く、アタックを加えたり削ったりする時に最も正確で敏感なエンベロープになります。
  • BALANCED: PRECISEとLOOSEの中間となるモードです。複数速いアタックと程よいリリースタイムを適用し、1つのトランジェントから次のトランジェントまでの間にエンベロープが復帰できるようにします。
  • LOOSE: リカバリータイムが最も遅く、長めのサステインを追加します。

Learn(学習)

Learn ボタンをクリックすると、マルチバンド処理のために自然なクロスオーバーポイントを探し始めます。波形の切り分けは、シビランス(歯擦音)、レゾナンスやランブル等、音の面で重要な要素に基づいて行われます。

メモ: Learnは終了すると自動的にオフになります

最適なクロスオーバーポイントが見つかるとLearnボタンは自動でオフになります。Learnがオフになるとボタンがオレンジからグレーに切り替わります。Learn機能が動作している最中でも、Learnボタンを再度クリックすることで中止できます。

メモ: Learnを作動させるにはオーディオ入力が来ている必要があります

Learnを正しく動作させるためにはTransient Shaperがオーディオ入力を受け取っている必要があります。Learnはマルチバンド対応においてバンドが切り分けられていない時は無効になります。

Reset(リセット)

Transient Shaperモジュールの全てのパラメータが初期設定に戻されます。ここからリセット前に使用していた設定に戻したい場合は、アンドゥ履歴 のウインドウで履歴リストからリセット前の項目を選択します。

LFE

LFEボタンは、LFE チャンネルを含むサラウンドトラック (5.1 または 7.1など) にNeutronをインサートした場合のみ表示されます。LFEを無効にすると、LFEチャンネルは必要に応じてレイテンシー補正され、他のチャンネルとの同期を保ったまま未処理の状態でモジュールを通過します。

HUD操作項目

Transient ShaperのモジュールのHUD(ヘッドアップディスプレイ)では以下の操作項目があります。

Transient Shaper HUD

Attack

トランジェントの頭の部分に適用するレベル(dB)を調節します。

  • Attackを上げていくと、パンチの強い誇張されたサウンドになっていきます。
  • Attackを下げていくと、ソフトであたたかいサウンドになっていきます。

ゲイン差分メーター

信号に適用されたゲイン・リダクションの平均値を表示します(dB)。

Sustain

トランジェントのサステインに適用するレベル(dB)を調節します。

  • Sustainを上げていくと、音の密度が高くエアリーなサウンドになります。
  • Sustainを下げていくと、タイトでアグレッシブなサウンドになっていきます。

Contour

マルチバンドスペクトラムにおける各バンドごとのレスポンスを選択します。

シェイプ アイコン 説明
Transient Shaper Contour Sharp Curve
SHARP タイトで速いリリースタイム。短めでスタッカートのようなサウンドに有効です。
Transient Shaper Contour Medium Curve
MEDIUM 透明でリニアなエンベロープ。殆どのサウンドに有効です。
Transient Shaper Contour Smooth Curve
SMOOTH 3つのモードの中で最も遅いエンベロープで、トランジェントの頭の部分を通過させてサステインに僅かな影響を与えます。持続音に有効です。

Neutron 4.0.2