ディレイ
概要
ディレイを使用するとボーカルに空間感覚を与え、音を厚くすることができます。 ディレイ・モジュールは5つの異な るサチュレーション・モードとモジュレーション・オプションを備えたステレオ・ディレイ処理が特長です。

Controls(操作項目)
ディレイ・モジュールのコントロール・パネルにはディレイ・エフェクトの特性とタイミングをカスタマイズできるパラ メータがあります。

ディレイのコントロール・パネルには以下のパラメータのグループがあります。
Delay Controls(ディレイ・コントロール)
Nectar 3がインサートされたトラックのチャンネル数に応じてディレイ・モジュールは異なる操作項目を表示します。
- モノラル: Nectar 3がモノラル・トラックにインサートされているとき、ディレイ・モジュールのコントロール・パ
ネル内で1組のディレイの操作項目にあるDelay(ディレイ)、Tempo Sync(テンポ同期)、Feedback(フィードバック)
が使用できます。
- ステレオ: Nectar 3がステレオ・トラックにインサートされているとき、ディレイ・モジュールのコントロール・パ
ネル内で2組のディレイの操作項目にあるDelay(ディレイ)、Tempo Sync(テンポ同期)、Feedback(フィードバック)
を使用して、左右のチャンネルをそれぞれ独立して調整することができます。
Delay(ディレイ)
入力信号の連続した各リピート・サウンドの時間間隔を設定します。

関連付けされているトラックのTempo Sync(テンポ同期)が無効のとき、ディレイ・コント ロールはミリセカンド(ms)の単位で、1msから3500msの間で調整されます。
Tempo Sync(テンポ同期)
有効時、ディレイ・コントロールは音価(音の長さ)によって調整されます。その音価が持つ、音の持続時間はセッション のテンポに基づきます。

Tempo Sync(テンポ同期)が有効のとき、ディレイ・コントロールは64分音符の3連 *(最も速く、短いリピート間長 さ)*から8分音符 (最も遅く、長いリピート間長さ) をサポートします。
例:テンポ同期のノート長さ
- セッションのテンポが120BPMの場合: 4分音符の長さは500msとなり、これは入力信号がリピートをする前に500ms遅 れることを意味します。
- セッションのテンポが220BPMの場合: 4分音符の長さは273msとなり、これは入力信号がリピートをする前に273ms遅 れることを意味します。
Feedback(フィードバック)
ディレイの入力にフィードバックされるディレイ信号の量を設定します。

Link(リンク)
ディレイ・モジュールがステレオ・トラックにインサートされているとき、ディレイ・コントロールの値のチャンネル間リ ンクを有効化します。

メモ:右チャンネルのリンク時の動作
リンク有効時、右チャンネルのディレイとフィードバックの値は右チャンネルの値と一致するようにスナップされます。リ ンク無効時、右チャンネルのコントロールはリンクを有効にする前に設定した値に戻ります。
Saturation(サチュレーション)
ディレイ・コントロール・パネルにはサチュレーション・モードとその処理量を調整するパラメータがあります。

Mode(モード)
ディレイのかかった信号に適用するサチュレーション効果の種類を設定します。

以下は、各ディレイ・モードでの音波特性とサチュレーション・モードの違いをまとめた表です。
モード | 特性 |
---|---|
デジタル Digital ![]() |
透明で、クリーンなディレイ ほんのわずかな色付けをして、入力信号を正確にコピーします。 |
テープ Tape ![]() |
クラシック、多彩なドライブ 経年劣化した磁気テープの信号のように段階的にリピート・サウンドをフィルタリング、ディストーション処理をします。 |
アナログ Analog ![]() |
ざらついた、歪んだエッジ音 回路の歪みを基に、ディレイ信号にざらついたエッジを与えます。 |
グランジ Grunge ![]() |
汚い、劣化した音の特性 フィードバック後のクランチ・ドライブ・サウンドをディレイ信号に与えます。 |
エコー Echo ![]() |
存在感を高める発音 サチュレーションされたコピー・サウンドをリピート、フェードアウトさせて想像的な奥行とインパクトのある存在感を与えます。 |
Amount(処理量)
サチュレーションに適用するドライブの処理量を調整します。

Modulate(モジュレート)
ディレイの時間を変化させるLFO(低周波オシレータ)のモジュレーション・レートとデプスの調整パラメータを有効化し ます。

- Rate(レート): LFOモジュレーションのスピードを設定します。すなわち、どのような 頻度 でディレイの時間 をLFOで変更するかを設定します。
- Depth(デプス): LFOモジュレーションの強さを設定します。すなわち、どのような 量 で、ベースラインの値か らディレイの時間を変更するかを設定します。
Post Filter(ポスト・フィルター)
ディレイ・モジュールのハイパス、ローパス・フィルターにより不必要な低、高音域の周波数成分を処理信号から除外しま す。

ポスト・フィルター
- ディレイ・モジュールのハイパス、ローパス・フィルターは 唯一 、モジュールの出力のウェット(処理された音)の 出力に適用されます。
- フィルターの操作点をクリックし、左右にドラッグすると周波数を調整します。
Global Module Controls(グローバス・モジュール・コントロール)
モジュール・チェーンにはBypass(バイパス)、Solo(ソロ)、 Remove(削除)、Reorder(並べ替え)、Wet/Dry Mix (ウェット/ドライ)といった各モジュール共通の操作項目があります。

グローバル・コントロールのチャプター
さらにNectar 3のモジュール・チェーンとその他のグローバル・コントロールを知るには、 Global Controls(グローバル・コントロール) のチャプターをご覧ください。
Meters(メーター)
ディレイ・モジュールには処理による効果を監視する2つのスペクトル・アナライザーがあります。
Spectrum Analyzer(スペクトル・アナライザー)
周波数スペクトル上の信号の振幅をリアルタイムで表示します。モジュール・パネルの左側にある縦軸の目盛は信号の振幅 をデシベル(dB)で示します。モジュール・パネルの下端にある横軸の目盛は周波数をヘルツ(Hz)で示します。

ディレイ・モジュールには2つのスペクトル・アナライザーが表示されます。入力はディレイ・モジュール内に枠のない暗 い灰色で、出力はディレイ・モジュール内に、白枠に明るい灰色で表示されます。
