Compuvox(コンピューヴォックス)
概要
Compuvoxは、1960年代後期から存在するLPC(Linear Predictive Coding:線形予測符号)というテクノロジーがベースに なっています。 VocalSynthが持つ他のオーディオプロセッサーと同様に、LPCはもともと低ビットレートで明瞭な音声を符 号化できる通信技術のひとつでした。最近では、このコンピュータライズされたボーカルサウンドがエレクトロミュージッ クで頻繁に使われています。そのサウンドは、ファービーやスピーク&スペル(Speak & Spell:実際にLPCを使用)といっ たおもちゃや、古い時代のテキスト読み上げ技術に似ています。
COMPUVOXの仕組み
Compuvoxは音声信号を2つの要素に分解し、フォルマント(音声を特徴づける周波数帯のピーク群)と、声帯における速い 振動で作り出される音や雑音を同時に予測します。この情報は、声帯の振動をシンセサイズ(合成)して音声信号のサウン ドを再現するために使用され、フォルマント・フィルターを通します。このモデルが行う信号の単純化が驚くほどクールな エフェクトを生み出すのです。
コントロール(各部名称と機能)
ENABLE(エネイブル:オン/オフ スイッチ)
Compuvoxモジュールを有効、または無効にします。
BITS(ビッツ)
0次ホールドという補間法で信号をリサンプリングして、デジタル・エイリアシングノイズを追加します。ノブを少し回す と、調和のとれていない感じの質感を与えます。ノブを更に回していくと、元の音声は殆ど認識できなくなり、言わばデジ タルカオスとなります。
BYTES(バイツ)
母音のサウンドを人工的に延ばします。母音の音を引き延ばすことで、人ではないような、それでいて音楽的に実用的な ボーカルエフェクト作り出します。
BATS(バッツ)
ノイズとザラザラした質感を増大させて、羽根の生えた獣人のようなエフェクトにします。
ヒント
このコントロールには、純粋に楽しく、多様性のある、そして実用的な使い方がたくさんあります。リードボーカル、特に ラップやEDM、更にはヘヴィメタルのボーカルでは、BATSをほぼ100%まで突っ込んで、ミキサーでブレンド量を僅かに設定 することで、 Compuvoxがエモーショナルで抑揚感あふれるソリッドなノイズでボーカルを支えます。
MODE(モード)
Compuvox にはLPCの様々な音質を再現する3つの異なるモードがあります。様々なタイプのボーカルにたいして色々な反応 をします。それぞれのモードを試して、ご自身のボーカルに 最適なセッティングを探してみましょう。
- SPELL(スペル): 程良いフィルタリングの最もバランスのとれた LPCセッティング。ハッキリとしたクラッシック なサウンドです。
- READ(リード): 最も強力で高精度なフィルター・モード。狭めの周波数帯域と高速解析で、細くこもったサウンド になります。
- MATH(マス): 最も広がりを感じさせるセッティング。広めの周波数帯域、緩めのフィルタリング、そして適度な解 析速度で、他の2つとはまた違った質感のサウンドです。
LVL(レベル)
Compuvox のアウトプット・レベルを調節します。
メモ
Compuvoxのアウトプット・レベル調節は、画面中央のアネモネ・ヴィジュアライザー に表示された操作点「C」のドラッグでも行えます(Compuvox モジュールが有効になっている場合)。
シンセ・プリセット・セレクター
現在選択中のシンセ・プリセットを表示し、アドバンスト・ビューを開くことなくプリセットの変更ができます。プリセッ ト名のディスプレイをクリックすると、プリセットリストが開きます。また、左右の三角矢印ボタンで、即座に別のプリ セットを読み込むことが可能です。アドバンスト・ビューでは、シンセのパラメーターを変更したり、新しいプリセットを 保存できます。
アドバンス・ビュー・ボタン
Compuvoxモジュールのメインパネル下部にあるミキサー・ボタンをクリックすると、アドバンスト・ビューが開きます。
アドバンスト・ビュー
Compuvox のアドバンスト・ビューでは以下の操作が可能です。
- SYNTH(シンセ): シンセ・パラメーターのカスタマイズ&プリセットの保存。
- MIX(ミックス): アウトプットのフィルターとパンの調節。
アドバンス・ビュー:Synth(シンセ)
Auto Mode(オート・モード)、または MIDI Mode(MIDIモード)でVocalSynthを使用している時は、 オシレーターとモジュレーションの設定をコントロールして、Compuvoxのシンセ・エンジンを通して再生される音(演奏されるノート) を変化させることができます。
Sidechain Mode (サイドチェイン・モード)ではシンセ・コントロールが無効になります。
Sidechain modeが選択されている時は、モジュールのシンセ・エンジンの 代わりに、サイドチェインのインプット信号がキャリア信号となります。したがって、Sidechain Modeの時は全てのモ ジュールでシンセ・パラメーターの使用ができなくます。
シンセ・プリセット
アドバンスト・ビュー内のシンセ・パラメーターを含むモジュールは、シンセ・プリセットとして保存と再読み込みが可能 です。
- VocalSynthを開いた時にはデフォルトのシンセ・プリセットが読み込まれます。各モジュールでは異なるシンセ・プリ セットがデフォルトで読み込まれます。シンセ・プリセット・メニューから 「Init」を選択するとシンセの設定はデ フォルト値に戻ります。
- アドバンスト・ビューでシンセ・セクションのノブをダブルクリックすると、「Init」プリセット値ではなく、初期設定 値にセットされます。
プリセットの読み込み
ドロップダウンメニューからプリセットを選択して、保存されているシンセ・パラメーター値を読み込みます。
メモ
モジュールのメインパネルにある、左右の三角矢印ボタンをクリックすることで、アドバンスト・ビューを開くことなく、 即座にシンセ・プリセットを変更できます。
プリセットの保存
プリセット・メニューの隣にあるフロッピーディスク・ボタンをクリックして、新しいシンセ・プリセットを保存します。 プリセット名を入力し、Enter/Returnキーでプリセットの保存を完了します。
OSC 1
| 名称 | 説明 |
|---|---|
| ENABLE | Osc 1のオン/オフ |
| WAVEFORM | 波形の選択 |
| GAIN | Osc 1のレベル調節 |
| PITCH: 粗調整 | Osc 1 を半音単位でチューニング |
| PITCH: 微調整 | Osc 1 を1/100半音単位でチューニング |
| PITCH: MOD | Osc 1のピッチに適用されるLFOモジュレーションの量を調節 |
| SHAPE | 波形の変形 |
| SHAPE: MOD | 波形に適用されるLFOモジュレーションの量を調節 |
以下の表はそれぞれ波形がモジュレーションによってどのように動作するかをまとめたものです。
| 波形 | モジュレーションの動作 |
|---|---|
| SAW | ノコギリ波のパルス幅を変更 |
| SQUARE | 矩形派のパルス幅を変更 |
| SYNC SAW | T2つのシンクロさせたノコギリ波をシミュレート。SHAPEを調節することで2つのノコギリ波のピッチレシオを変更。 |
| TRIANGLE | 三角波をノコギリ波に変形 |
| SAWS | 7つのノコギリ波をシミュレート。SHAPEを調節することでデチューンさせる量を変更。 |
OSC 2
| NAME | DESCRIPTION |
|---|---|
| ENABLE | Osc 2のオン/オフ |
| WAVEFORM | 波形の選択 |
| GAIN | Osc 2のレベル調節 |
| PITCH: 粗調整 | Osc 2 を半音単位でチューニング |
| PITCH: 微調整 | Osc 2 を1/100半音単位でチューニング |
| PITCH: MOD | Osc 2のピッチに適用されるLFOモジュレーションの量を調節 |
| SHAPE | 波形の変形 |
| SHAPE: MOD | 波形に適用されるLFOモジュレーションの量を調節 |
以下の表はそれぞれ波形がモジュレーションによってどのように動作するかをまとめたものです。
| 波形 | モジュレーションの動作 |
|---|---|
| SAW | ノコギリ波のパルス幅を変更 |
| SQUARE | 矩形派のパルス幅を変更 |
| SYNC SAW | 2つのシンクロさせたノコギリ波をシミュレート。SHAPEを調節することで2つのノコギリ波のピッチレシオを変更。 |
| TRIANGLE | 三角波をノコギリ波に変形 |
| SAWS | 7つのノコギリ波をシミュレート。SHAPEを調節することでデチューンさせる量を変更。 |
NOISE(ノイズ)
| 名称E | 説明 |
|---|---|
| ENABLE | ノイズ・オシレーターのオン/オフ |
| GAIN | ノイズ・オシレーターのレベル調節 |
| LFO/PITCH | モジュレーション・ソースの切り替え |
| CRUSH | ノイズ・オシレーターに適用されるエイリアシング・ディストーション(折り返し歪み)の量を調節。最大値の時、ノイズ・オシレーターはホワイトノイズを発信。 |
| MOD | CRUSHパラメーターに適用されるモジュレーションの量を調節。モジュレーション・ソースは、LFO/PITCHセレクターで決定。このMODパラメーターでは双方向のモジュレーションが可能。bidirectional modulation. |
LFO MOD SOURCE(LFO モジュレーション・ソース)
これらのパラメーターで、LFOモジュレーション・ソースの波形と速度を調節します。SYNTHセクションにある全てのMODノ ブ(LFOとPITCHの切り替えが可能なCRUSH/MODコントロールは除く)は、このLFOをモジュレーション・ソースとして使用しま す。
| 名称 | 説明 |
|---|---|
| SHAPE | LFO波形の選択 |
| RATE | LFOの速度調節 |
アドバンスト・ビュー : Mix(ミックス)
アウトプット信号のPANとFILTERの調節をします。
PAN(パン)
アウトプット信号のステレオ・パンの調節をします。
FILTER(フィルター)
アウトプット信号に適応されるハイパス/ローパス・フィルターの調節をします。操作点をクリック&ドラッグしてフィル ターの中心周波数を調節します。2つの操作点の下をクリック&ドラッグすることで、両方の操作点を同時に移動させるこ ともできます。