サウンド・フィールド
概要
サウンド・フィールド(音場)のメーター画面ではステレオのベクトルスコープとサラウンドのベクトルスコープが搭載さ れています。
ベクトルスコープ
ベクトルスコープとはX-Y両軸に2チャンネルのステレオ信号を並列に表示してチャンネル間の差、または類似性を表示する メーターです。モノラル信号は垂直線を表示し、音像の広いステレオ信号はより水平方向に表示が広がります。ベクトルス コープによりミックス、マスタリングの過程で信号のステレオ幅を監視することが可能です。また、位相打ち消しの問題の 発見にも役立ちます。
ステレオ・ベクトルスコープでは以下のビュー・モードが使用できます。
- Polar Sample(ポーラー・サンプル)
- Polar Level(ポーラー・レベル)
- Lissajous(リサージュ)
Polar Sample(ポーラー・サンプル)
ポーラー・サンプル・ベクトルスコープはサンプルごとにドットをプロットしますが、入力信号のステレオ・イメージを強 調する上でさらに便利な極性座標表示を使用します。45度の安全ラインに収まっているパターンは、同位相の信号であるこ とを表し、ライン外にあるパターンは位相ずれが生じているオーディオを表します。ポーラー・サンプル・ベクトルスコー プのヒストリー(履歴)の表現上、プロット点は緩やかに消えていきます。オーディオ情報の点が表示されて、最後の数秒 で徐々に消えていき、非常に薄いグレーの点がメーターに残ります。メーターをクリックすると、表示をリセットすること ができます。
Polar Level(ポーラー・レベル)
ポーラー・レベル・ベクトルスコープはサンプルの平均を表す極性座標画面に線をプロットして音声のステレオ・エネル ギーを明確に表示します。線の長さは振幅を示しており、角度はステレオ・イメージでの位置を表します。45度の安全ライ ン内に収まっている線は、同位相の信号であることを表し、ライン外にある線は位相ずれが生じているオーディオであるこ とを表します。ポーラー・レベル・ベクトルスコープのヒストリー(履歴)の表現として、プロットした線が緩やかに消え ていきます。線は中心に向かって縮小しますが、リアル・タイム分析ができるように線の外側は残ります。
Lissajous(リサージュ)
ポーラー・サンプル・ベクトルスコープ同様、リサージュ・ベクトルスコープは伝統的なオシロスコープの画面に、サンプ ルごとのドットをプロットします。通常、ステレオ音声からはリサージュ・ベクトルスコープにおいて、水平よりも垂直方 向に広いランダム・パターンが生まれます。垂直方向のパターンは左右チャンネルの類似性を表します。(モノラル音声は 垂直の線になります)水平方向のパターンは左右のチャンネルが非常に異なっていることを表し、モノラル互換性に問題が 生じている場合があります。
リサージュ・ベクトルスコープのヒストリー(履歴)の表現上、プロット点は緩やかに消えていきます。オーディオ情報の 点が表示されて、最後の数秒で徐々に消えていき、非常に薄いグレーの点がメーターに残ります。メーターをクリックする と、表示をリセットすることができます。
クリッピング
ベクトルスコープで描画されたクリッピング箇所は赤色でプロットされます。
バランス・メーター
ステレオ・ベクトルスコープ画面の下にある水平のメーター・バーは入力信号のステレオ位置の平均を示します。
相関メーター
ステレオ・ベクトルスコープ画面の右側にある垂直のバーは左右のチャンネルの類似性(または相関性)の度合を表してい ます。2つの信号が完全に一致している(同位相)場合、相関メーターの数値は+1となります。2つの信号が完全に逆相で、 全く異なる場合、相関メーターの数値は-1となります。
相関メーターはステレオ環境において、左右チャンネルの信号が互いに周波数を打ち消し合うことなく、合わせてモノラル 化できることを確認するために使用します。もし2つの信号が完全に逆相の場合、これらを合わせると音が聴こえなくなり ます。通常、ステレオ信号の幅によりますが、ミックスされたオーディオの値は0から+1の間になります。瞬間的に数値が0 を下回ったとしても、必ずしも問題があることを意味するわけではありませんが、負の値の表示が長引く場合、モノラル互 換性に問題が生じている可能性を示しています。
サラウンド・スコープ
サラウンド・スコープはサラウンド・チャンネルの振幅を様式化した画面表示です。この画面ではチャンネル間の空間関係 を表示しつつ、各チャンネルの振幅も視覚化します。サラウンド・スコープは隣接するオーディオ・チャンネルの位相関係 を監視し、負の相関性または位相打ち消しが発生するとアラート(通知)を表示します。
サラウンド振幅
サラウンド振幅メーターは様々なサラウンド・チャンネルを指し示すマーカーを使用して、360度読み取り線の中で線をプ ロットします。
サラウンド・バランス・インディケーター
サラウンド・バランス・インディケーターは360度読み取り線の様々な位置に追跡ドットを表示します。ドットの位置はす べてのチャンネルを合わせたサラウンド位置を表します。
サラウンド相関アラート
隣接するチャンネル間に位相問題が起こりうる場合、アラートが表示されます。サラウンド・スコープの360度のプロット を囲うセルがそれぞれのチャンネル関係を表します。大幅に位相がずれている顕著な信号にのみ反応し、アラートが発生し ます。
サラウンド・メーター・スケール
メーター内の輪が各チャンネルのRMS信号レベルを精密に表します。-60dBを下回るRMS信号はサラウンド・メーターにベク トルとして表示されません。
オプション
メーターの詳細オプションを開くには、サウンド・フィールド・メーター画面の左上隅にある歯車ボタンをクリックしま す。
サウンド・フィールドのタブでは以下のオプションが設定できます。
Meter Type(メーターの種類)
Stereo(ステレオ)またはSurround(サラウンド)のモードに設定します。
Vectorscope Mode(ベクトルスコープ・モード)
ステレオ・ベクトルスコープでのメーターの種類を選択します。この設定はステレオ・モードを選択中にサウンド・フィー ルド・メーター画面の下にある対応ボタンをクリックすることでも設定できます。
Vectorscope Detection Method(ベクトルスコープの検知手法)
ポーラー・レベル・モードにおける、サンプル平均の検知方法を設定します。Peak(ピーク)、RMS、Envelope(エンベ ロープ)から選択ができます。振幅を分析する場合、すべての周波数に対し一定のレベルで検知を行うエンベロープ・モー ドが最適です。