全般的な操作項目
概要
ミキシング環境における様々な部分の設定をします。以下の3つはのプラグイン全体設定になります。
以下の3つはモジュール全体を操作する設定になります。
ウインドウのサイズ変更
プラグイン右下の角をクリック&ドラッグすることで、メイン・ウインドウのサイズ変更をすることができます。Neutron 3のマザーシップ・プラグイン、コンポーネント・プラグイン、そしてヴィジュアル・ミキサーでサイズ変更が可能です。

マザーシップのグローバル・コントロール
Neutron 3 マザーシップ・プラグインのヘッダーには、以下の図と表にあるプラグイン全体を操作する機能と項目がありま す。

番号 | 名称 | 説明 |
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プラグイン・ネーム | プラグインの名前を決めます(トラック名など)。IPC(インター・プラグイン・コミュニケーション)対応のiZotopeプラグインでは、ここで決められた名前が表示されます。 |
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アシスタント機能 | アシスタント機能のウインドウを開いて、Track AssistantとMix Assistantのどちらを使用するか選択します。詳細についてはアシスタント機能のページをご覧ください。 |
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プリセット・マネージャー | プリセット・マネージャーのウインドウを開きます。詳細についてはPresets のページをご覧ください。 |
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編集履歴 | The 編集履歴 ではNeutronにおける過去の設定を比較することができます。詳細については 編集履歴の操作 のセクションをご覧ください。 |
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ゼロ・レイテンシー | ゼロ・レイテンシーを有効にします。有効になっている時は、以下の制限が発生しますので、ご注意ください。 LimiterのModeが無効になります。Sculptorモジュールが使用不可になります。マルチバンド・モジュール(Compressor 1&2、Transient Shaper、Exciter)のクロスオーバー・タイプがロックされます。 |
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オプション | オプションのウインドウを開きます。詳細については オプション のページをご覧ください。 |
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ヘルプ | お使いのブラウザでヘルプ・ドキュメントが開きます。 |
編集履歴の操作
編集履歴のウインドウでは、Neutronにおける過去の設定を比較することができます。 編集履歴のボタンをクリッ クすると、これまでに変更された設定が履歴リストとして表示されます。 履歴リストにある項目をクリックする と、過去の設定を聴くことができます。以下の表は、編集履歴ウインドウでの操作項目をまとめたものになります。

ボタン | 説明 |
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Clear | 履歴のリストをすべて削除します。 |
Close | 編集履歴のウインドウを閉じます。閉じる前に選択した編集状態に戻り、そこから新たに編集履歴が更新されていきます。 |
Sets | 4つのボタン(A/B/C/D)で4つの履歴リストをスナップショットします。これは、異なる設定を比較するのに便利な機能です。使用方法は次の通りです。リストからキャプチャしたい項目を選択します。A/B/C/Dボタンの上にある「Set」をクリックします。スナップショットされたボタンをクリックして、過去の設定状態を切り替えます。 |
シグナル・チェーン
シグナル・チェーンでは、以下のモジュールを追加、削除、配列の変更が可能です。
- Gate(ゲート)
- Equalizer(イコライザー)
- Compressor(コンプレッサー x2)
- Exciter(エキサイター)
- Transient Shaper(トランジェント・シェイパー)
- Sculptor(スカルプター)

注意:追加できるモジュール数の制限
シグナル・チェーンには重複したモジュールを追加することはできません。あるモジュールが既にシグナル・チェーンに配 置されている場合、そのモジュールはモジュール・メニュー内でグレーアウトされます。シグナル・チェーンで2つ使用 できるのはCompressorモジュールのみとなります。
以下の表は、シグナル・チェーンでの操作項目をまとめたものになります。
アイコン | 操作 | 説明 |
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追加 | 「+」ボタンをクリックすると、モジュール・メニューが開きます。ここで1つのモジュールを選択すると、シグナル・チェーンの最後に追加されます。 |
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オン/オフ・ボタン | モジュールのオン/オフ・ボタンをクリックすると、そのモジュールをバイパスすることができます。 |
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モジュール・プリセット | モジュール・プリセットを開きます。詳細については、 プリセット・マネージャーをご覧ください。 |
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削除 | シグナル・チェーンからモジュールを削除します。 |
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配列の変更 | ここをクリックしたまま左右にドラッグすると、モジュールの配列を変更することができます。 |
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Mix(Wet/Dryのミックス) | このスライダーでWet(エフェクト処理後)とDry(エフェクト処理前)のバランスを調節します。 |
ヒント:出発点としてのモジュール・プリセット
モジュール・プリセットを出発点として使ってみましょう。プリセットはそれぞれ、特定の目的のために作成されてい ます。いろいろなプリセットを試して、サウンドがどのように変化するか聴いてみてください。好きなプリセットが見つ かったら、そこから微調整してお好みのサウンドに近づけましょう。
メモ:True Bypassモード
True Bypassモードでは、入力ゲインと出力ゲインを除く、すべての処理がバイパスされます。
メモ:Mixスライダーを使ったパラレル処理
MixスライダーでWet/Dryのバランスを調節して、パラレル処理をすることができます。
- **100%**の時は、処理後の音のみになります。
- **50%**の時は、処理前と処理後が均等にブレンドされた音になります。
メモ:ブレンド・ツールとしてのMixスライダー
Mixスライダーは、Dry(エフェクト処理前)の信号(つまり入力信号)に、どれくらいWet(エフェクト処理後)の信号を ブレンドさせるかを調節することができます。この調節は、モジュール全体のサウンドを変化させます。
I/O パネル
I/O(input/output:入力/出力)パネルでは、音量レベルの確認、ゲイン、ステレオ幅、定位の調節に加え、リミッターや チャンネルの設定が可能です。

番号 | 操作項目 | 説明 |
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Bypass(バイパス) | Neutron 3が行う処理のオンとオフを切り替えます。Bypassがオンの時は、モジュールの操作が行えません。 |
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Gain (ゲイン:入力/出力) | 入力/出力のゲインを調節します。出力ゲインのレベル調節に後にリミッター処理が適用されることだけご注意ください。 |
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Width(ステレオ幅) | ステレオ幅の調節をします。値が低くなるほど音の幅が狭まり(-100%はモノラル)、値が高くなるほど音の幅が広がります。ステレオ・トラックのみの機能となります。 |
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Pan(定位) | 出力信号を左右のチャンネルに配置します。ステレオ・トラックのみの機能となります。 |
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Sum To Mono(モノラル化) | ステレオ信号の左右チャンネルをモノラル信号に切り替えます。モノラル環境で再生されることを想定したチェックを行う時などに使用します。 |
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Invert Phase(位相の反転) | 信号の位相を反転します。 |
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Swap Channels(チャンネルのスワップ) | ステレオ信号の左右のチャンネルを入れ替えます。 |
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Limiter(リミッター) | 出力信号のトランジェントを保ちながら、透明なリミッターを適用します。詳細については、 Limiter(リミッター) のセクションをご覧ください。 |
Limiter(リミッター)
BS.1770-2/3規格1 に対応したTrue Peak Limiter(トゥルーピーク・リミッター)は、出力信号にデジタル・ラウドネ ス・マキシマイズ処理を施しつつ、モノラル/ステレオ/サラウンド・チャンネルすべてのクリッピングを防止します。

以下の操作項目で、リミッターの設定を行うことができます。
メモ:リミッターのゲイン・リダクション表示
リミッターが出力信号をリミッティングしている時、出力メーターにゲイン・リダクションの量がオレンジ色で表示されま す。
メモ:出力ゲイン・スライダーとリミッター
Limiterがオンの時、出力ゲインがリミッターの入力ゲインとなります。True Peakレベルに影響を与えることなく、出力ゲ インを10dBまで上げることができます。
Ceiling(シーリング)
オーディオ出力の最大レベルを決定します。設定したレベルを超えるピークはすべてリミッティングされます。Ceiling は、出力メーター上に表示されるオレンジ色のスライダーで、0 dBから-20 dBまでの範囲で設定ができます。
Ceilingスライダーの調節には以下の2つの方法があります。
- Ceilingスライダーをクリックしたまま上下にドラッグします。
- Ceilingの数値にカーソルをあて、クリックしたまま上下にドラッグします。
Limiter Style(リミッター・スタイル)
リミッティング・アルゴリズムの適応性や透明度を直接的にコントロールする3つキャラクターを選択します。
キャラクター | 説明 |
---|---|
Clear(クリア) | 速い反応のリミッターです。動きの速いトランジェントを整えるのに有効です。 |
Smooth(スムーズ) | Smoothは、ClearとThickの中間にある最も一般的なリミッティングになります。ボーカルや会話などを含む大半の素材に最適なアルゴリズムとなります。 |
Thick(シック) | ゆっくりした反応のリミッターで、大きな爆発音などラウドでスローな動きのサウンド、あるいはベースなどの低音といった、アグレッシブなリミッターをかけることでサウンドを壊したくない場合などに有効です。 |
Limiter Mode(リミッター・モード)
3つの方法で最適化されたリミッター・モードを選択します。それぞれのアルゴリズムに独自のクオリティーとレイテン シーがあります。
リミッティング・アルゴリズム | クオリティー | レイテンシー |
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IRC II | 透明 | 高めのレイテンシー: 激しいリミッティングでも透明感を最大に維持します。低域の周波数など、歪みを発生させず音の大きさを保ちたい時に有効です。 |
IRC LL | 低レイテンシー | 低めのレイテンシー: 効率的なパフォーマンスでありながら音質をハイレベルに保ちます。True Peakにも対応しています。 |
Hard | ブリックウォール | ゼロ・レイテンシー 最も効率的なアルゴリズム。最終的な出力レベルがシーリングをこえることはありません。ゼロ・レイテンシーであるため、True Peakには対応していません。 |
メモ:低レイテンシーの重要性について
レイテンシー補正の制限などがある映像に合わせたミキシングの際、低レイテンシーであることは同期のズレなどを回避す るための重要な条件になります。
LIMITER LFE(リミッター LFE)
サラウンド・サウンドの場合、Limiterは全てのチャンネルをリンクします。つまり、サラウンド・イメージを維持しなが ら、ゲイン・リダクションが均等に適用されることになります。
LFEがオンの時、LFE Bypassがレイテンシー補正をしながらLFEチャンネルのオーディオ情報をバイパスします。詳細につい ては、LFE のセクションをご覧ください。

Unmask Controls
When Neutron is selected in the Unmask source menu in Nectar and masking is detected by Vocal Assistant, an EQ cut curve will be applied to the output of Neutron to unmask the vocal track. An Unmask control box will appear above the I/O meters in the Neutron interface that is unmasking the vocal track.

Depending on the edition of Nectar you are using, different Unmask controls will be available in Neutron:
- Using Nectar
Standard edition: An Unmask EQ power button will appear in
the Neutron instance that is unmasking the vocal.
- Using Nectar
Plus edition: The Unmask box in Neutron will include a
power button and an expandable advanced controls panel. The Advanced unmask controls panel includes: the
Nectar
Plus instance name that Neutron is unmasking, an Unmask EQ curve
display, EQ amount control, Dynamic Unmask EQ on/off, and an external sidechain option when Dynamic mode is
enabled.
I/O メーター
入力/出力メーターはそれぞれPeakとRMSの情報を表示します。
- Peak は白色で表示されます。
- RMS は明るいグレーで表示されます。
メーターの上に表示される数値は、それぞれPeak値とRMS値を表示します。
マルチバンド・クロスオーバー・スペクトラム・ビュー
Yマルチバンド対応のモジュールでは、マルチバンド・クロスオーバー・スペクトラム・ビューにて各バンドの選択、調 節、そして試聴が可能です。マルチバンド処理に対応しているモジュールは、Compressor、 Exciter、Gate、Transient Shaperで す。各モジュールで、調節可能な3バンドまでの処理が可能になります。

アイコン | 操作項目 | 説明 |
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追加 | クロスオーバー・カットオフの操作点を追加するには、スペクトラム・ビューの上部にある操作バーにカーソルを当てて、表示された「+」ボタンをクリックします。クロスオーバー・フィルターは3つまで追加できます。 |
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削除 | クロスオーバー・カットオフの操作点を削除するには、該当するバンド内にカーソルを当てて、表示された「x」ボタンをクリックします。 |
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オン/オフ・ボタン | バンドへの処理を有効/無効にします。 |
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ソロ | 選択されたバンドのみを聴くことができます。 |
ゲイン・リダクション・トレース
バンドに適用されたゲイン・リダクションの量を表示します。
クロスオーバー・カットオフの調節
マルチバンドにおけるクロスオーバーのカットオフ・ポイントは、以下の方法で調節ができます。
- クロスオーバー・ハンドルのクリック&ドラッグ
- クロスオーバー・ハンドルにカーソルをあてます。
- 左クリック&左右にドラッグで位置を調節します。
- ドラッグしている時、ハンドルの下に表示される周波数の値を確認しながら設定してください。
- 周波数の値を入力
- クロスオーバー・ハンドルをダブルクリックすると、ハンドルの下に表示される周波数値が編集できるようになりま す。
- 周波数の値を入力します。
- キーボードの Enter または Return を押して完了です。
注意:クロスオーバーのカットオフ・ポイントは共有できません
クロスオーバーのカットオフ・ポイントは他のモジュールを共有できません。つまり、あるモジュールでカットオフ・ポイ ントを調節しても、他のモジュールのカットオフ・ポイントに影響を与えることはありません。
検出フィルター・ビュー
検出フィルターをオンにして、検出回路の周波数レスポンスを調節します。検出フィルターが表示されている時、以下の表 にある操作が可能になります。Neutron 3では、Compressorモジュールと Gateモジュールのみで検出フィルターが使用できます。

アイコン | 操作 | 説明 |
---|---|---|
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オン/オフ・ボタン | 検出フィルターのオン/オフを切り替えます。初期設定ではオフになっています。 |
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ソロ | 「S」ボタンをクリックしてソロ機能を有効にすると、検出フィルターの出力を聴くことができます。検出フィルターの操作点を調節する時に便利な機能です。 |
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レゾナント・フィルターの操作点 | ローパス・バンドとハイパスバンドの中心周波数とゲインを調節します。 |
レゾナント・フィルターの操作点の調節
検出フィルター・ビューで表示されるレゾナント・フィルターの操作点で、周波数レスポンスをお好みの形に調節できま す。
- 操作点をクリックしたまま上下にドラッグして、ゲインを調節します。
- 操作点をクリックしたまま左右にドラッグして、中心周波数を調節します。
ヒント:Compressorの検出フィルター
- 検出フィルターを調節することで、異なる周波数に対する Compressor の感度を調整するこ とができます。Compressorをシングルバンド・モードで使用する時に便利な機能となります。
- 例えば: 低域の周波数よりも歯擦音や耳障りな周波数に対してCompressorを反応させたい場合、ハイパス・フィル ターで低域を外し、レゾナント・ローパス・フィルターで耳障りな周波数の辺りをブーストさせて、Compressorへの入力 信号を調節します。
LFE (Low-frequency Effects: 低域効果音)
LFEボタンは、LFE チャンネルを含むサラウンド・トラック(5.1 または 7.1など)で Neutron 3 Advancedを挿入した場合 のみ表示されます。Neutronをサラウンド・トラックで使用した場合、全ての入力チャンネルを均等に処理します。対応す るサラウンド・サウンドのフォーマットについては、サラウンド・サウンドのセクションをご覧 ください。
モジュールのLFEボタンは、モジュール・ヘッダーに表示されています。

- LFEボタンを有効にすると、LFEがオーディオ処理に含まれます。初期設定でオンになっています。
- LFEボタンを無効にすると、オーディオがLFEチャンネルを通過する時に、レイテンシー補正されると共に低域が除外され ます。
LFEロールオフ・フィルター
LFE信号が帯域制限されたサラウンド・サウンドのミキシングする場合、24 dB/octaveのロールオフ・フィルターの仕様が 必要になります。このフィルターを使用するには、オプション・メニューのMeteringタブ にアクセスしてください。フィルターを有効にして、カットオフの設定をすることができます。
メモ:LFEロールオフ・フィルター
LFEロールオフ・フィルターは、サラウンド・トラック(5.1 または 7.1など)で Neutronをインサートした場合のみ表示 されます。
サラウンド・サウンド
Neutron 3 Advancedは、以下のDAWのサラウンド・サウンド・フォーマットに対応しています。モジュール内でLFE処理がバ イパスになっていない場合に限り、Neutronは全てのチャンネルの処理を行います。
DAW | サラウンド・フォーマット | チャンネル |
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Pro Tools | Film | 1.0, 2.0, 3.0 (LCR), 4.0 (Quad), 5.0, 5.1, 7.0, 7.1 |
Logic Pro | DTS, ITU/SMPTE, SDDS | 1.0, 2.0, 4.0 (Quad), 4.0 (LCRS), 5.1 (ITU/SMPTE) |
Cubase | ITU/SMPTE | 1.0, 2.0, 3.0 (LRC), 3.0 (LRS), 4.0 (Quad), 4.0 (LCRS), 5.0, 5.1 |
Nuendo | DTS, ITU/SMPTE, SDDS | 1.0, 2.0, 4.0 (Quad), 4.0 (LRCS), 5.0, 5.1, 7.0 (cine), 7.0 (music), 7.1 (cine), 7.1 (music) |
Neutron 3をサラウンド・サウンドで使用する場合、以下の図のようにI/OパネルにはLFEボタンとサラウンド・サウンド・ メーターが表示されます。
