トラック・アシスタント (Track Assistant)
概要
Track Assistantは、トラックの出発点を提案する機能です。Track Assistantはトラックを注意深く聴き、Neutron Elementsの様々なパラメータを調節して、そのトラックにふさわしい提案をします。その提案を基に、皆さんはNeutron Elementsの各モジュールをアーティスティックな調整することができます。
お勧めワークフロー
Track Assistantは、他のトラックとのバランスなどとは関係なく、インサートされたトラックのみを聴いて処理を行いま す。Track Assistant機能の使用方法は以下の通りです。
- Neutron Elementsをトラックにインサートします。
- Neutron Elementsを開いて、「Track Assistant」ボタンをクリックします。
- Instrument(楽器の種類)、Style(スタイル)、Intensity(エフェクトの掛かり具合)をそれぞれ選択します。 Instrumentでは「Auto-detect」を選択することで、Neutronが自動的に何の楽器かを聴き分けてくれます。
- 設定が終わりましたら、Next ボタンをクリックします。
- DAWで音楽を再生すると、Track Assistantがトラックの処理を始めます。
- Track Assistantが提案した出発点をチェックします。
- Accept ボタンをクリックして、結果をトラックに適用させます。
Track Assistantの処理時間
Track Assistant機能を使用する時、音楽の再生から分析をスタートして調節を行うまで約4秒から10秒かかります。Track Assistantが処理を行っている最中は、Neutronの他の機能へのアクセスはできません。
Track Assistantのセッティング
このセッティングは、Track Assistantが出発点を探すためのガイドラインとなります。これらのセッティングが、エフェ クトの掛かり具合、マルチバンドの数、コンプレッションのレシオなどを決めていきます。

セッティング | 説明 |
---|---|
INSTRUMENT(楽器の種類) | 楽器の種類を選択します。この情報に基づいてTrack AssistantがパラメータやSculptorモジュールのモードを設定します。リストに該当する楽器が見当たらない場合は、以下のオプションを選択してみてください。Other(その他): その他の楽器(シンセ、ディジュリドゥ、ブブゼラなど)Auto-Detect(自動判別): Track Assistantが自動で楽器の種類を判別します。 |
STYLE(スタイル) | 以下の3つのオプションからお好みのスタイルを選択します。 Balanced(バランス): 多目的な処理で豊かなサウンドにします。 Warm(あたたかみ): 低域を僅かに強調して心地よいサウンドにします。Upfront(存在感): 中域を強調して存在感のあるサウンドにします。 |
INTENSITY(エフェクトの掛かり具合) | 以下の3つのオプションからエフェクトの掛かり具合を選択します。Low(低): わずかな調節と処理になります。 Medium(中): 聴いて変化が分かるほどの適度な処理になります。 High(高): トラックを前に押し出すようなアグレッシブな処理になります。 |
ヒント:さまざまなセッティングを試してみましょう
Track Assistantが求めているサウンドを理解してくれないなと思ったら、いろいろなTrack Assistantのプロセス セッティングを試してみましょう。Track Assistantは、StyleとIntensityの組み合わせで9通りの提案ができます。更に、 オーディオのタイプに合わせて6通りのプリセットが用意されていますので、合計で54通りの提案が可能になります。
Track Assistantのプロセス
Track Assistantの処理は、セッティングの情報と入力されるオーディオに基づいて行われます。Track Assistantは以下の ステップでプロセスを進めていきます。
- オーディオデータを楽器の種類に基づいて識別します。
- そのオーディオから信号の流れ、つまりモジュールの順序を決めます。
Track Assistantが行う各モジュールの調節
モジュール | Track Assistantが行う調節 |
---|---|
Equalizer(EQ:イコライザー) | 最適なシェルフ・ポイントとピークにフィルター操作点を設置して基本となるカーブを決めます。また、オーディオの情報に基づいて、フィルター操作点にはブースト/カット、静的/動的(ダイナミック)、そしてベル/シェルビング・フィルターが選択されます。Track Assistantは、オーディオの目立つ周波数エリアに、これらのフィルター操作点を配置します。 |
Exciter(エキサイター) | Exciterのプリセットを用いて、X/Yパッド上のTube/Tape/Warm/RetroやDry/WetのMixなどのパラメータを決めます。また入力信号の強さに応じてDriveの量も設定します。 |
Compressor(コンプレッサー) | 入力信号のレベル(LKFS)に基づいて、Threshold(スレッショルド)を決めます。この機能はコンプレッサー処理で「スイートスポット」を探す際の時短になります。これにより、皆さんはクリエイティヴな時間をより多く過ごせます。 |
Transient Shaper(トランジエンド・シェイパー) | バイパスされます。 |
お願い:TRACK ASSISTANTをより良い機能にするために
Track Assistantがオーディオファイルを誤って識別するような場合は、そのデータをiZotopeの Customer Care までお送りください。