ダイアログのマッチング
概要
プロファイルのキャプチャと比較を可能にする機能で、リファレンスとなるダイアログ・オーディオのEQ、リバーブ、そし てアンビエンスを限りなく近く再現することができます。
マッチ処理設定の作成
まずは、マッチさせたい2つのダイアログが必要になります。Dialogue Matchの機能を最大限に発揮させるため、以下の ワークフローを提案します。

ステップ | 説明 |
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ロケで収録されたダイアログなどのトラックに適用するためのReference プロファイル をキャプチャします。ダイアログ・クリップを選択してReferenceクリップとして学習させます。あるいは、保存されているReferenceプロファイルを読み込みます。 |
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ReferenceプロファイルにマッチさせるApply To プロファイルをキャプチャします。ダイアログ・クリップを選択してApply Toクリップとして学習させます。あるいは、保存されているReferenceプロファイルを読み込みます。 |
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ReferenceプロファイルとApply ToプロファイルのEQ、リバーブ、アンビエンスを学習したDialogue Matchがマッチ処理の設定を適用します。 |
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マッチ処理の試聴をします。試聴をしながらリアルタイムで設定の変更をすることもできます。 |
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オリジナルのReferenceクリップをチェックしたい時は、耳マーク・ボタン(Reference Previewボタン)を長押しします。 |
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納得のいく設定になりましたら、レンダー(Render)ボタンをクリックして、マッチ処理の設定を適用します。 |
その他のワークフロー
- 類似するクリップや同じパフォーマーにマッチング処理を適用する時は、新たに Apply Toプロファイルを学習させ る必要がない場合もあります。
- スナップショットを保存しておくことで、特定のマッチング処理の設定を他の俳優に適用す
ることも可能です。
マッチングにはドライなApply Toプロファイルを
Dialogue Matchは、ドライなApply Toプロファイルと反響音を含むReferenceプロファイルをマッチングさせた時に最も効 果を発揮します。何故ならDialogue Matchの処理はリバーブ音を取り除くのではなく、リバーブ音を付加するからです。
レンダリングの際の注意点
クリップが選択されていない場合は、レンダリングが行えません。また、誤って違うクリップを選択してしまった場合は、 設定された処理が間違えて選択したクリップに適用されてしまいます。
プロファイル
プロファイルはダイアログ・クリップの周波数特性、リバーブ、アンビエンスを分析したデータで、Dialogue Matchが正確 なマッチング処理を行うために必要な情報となります。Dialogue Matchでは以下の2種類のプロファイルをキャプチャする ことができます。
- Reference プロファイル: リファレンスにしたいクリップの特性を分析したデータ
- Apply To プロファイル: Referenceプロファイルにマッチさせるクリップの特性を分 析したデータ
アクセスできるオーディオクリップ
Dialogue Matchがアクセスできるオーディオクリップは、Pro Toolsのセッション内にあるもののみになります。
Reference プロファイル
セッション内のクリップを選択、またはゴールとするマッチングに最も適した保存済みのReferenceプロファイルを読み込 みます。キャプチャされたReferenceプロファイルはプロファイル・セクションの左側に 紫色で表示されます。

操作項目 | 説明 |
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Capture(キャプチャ) | このボタンをクリックするとReferenceプロファイルとして使用するクリップの特性を分析、そして保存をします。 |
Clear(クリア) | キャプチャされた特性が満足いくものではなかった場合、このボタンをクリックしてキャプチャされたReferenceプロファイルを削除します。 |
Reference track length limitations
Dialogue Match works best with a reference track that is at least 3 seconds long. Reference tracks less than 1 second long will not be learned.
アクセスできるオーディオクリップ
Dialogue Matchがアクセスできるオーディオクリップは、Pro Toolsのセッション内にあるもののみになります。
デフォルトのReferenceプロファイル
リバーブの出発点としてデフォルトのReferenceプロファイルを使用することも可能です。「Reference」セクションのド ロップダウンメニューの “Load a reference profile(Referenceプロファイルの読み込み)”の中にデフォルトのReference プロファイルがあります。また、メニューアイコンを使用して、後で再使用するためのカスタム・リファレンスを保存する こともできます。

Referenceプロファイルの試聴
「Reference」セクション中央の耳ボタン(Reference Previewボタン)をクリックすると、Referenceプロファイルの試聴 が可能になります。

Referenceプロファイルを試聴するための条件
Referenceプロファイルを試聴するには、リファレンスとなるクリップをキャプチャする必要があります。AudioSuiteプラ グインで試聴を始めると、耳ボタン(Reference Previewボタン)がキャプチャされたReferenceプロファイル上に表示され ます。
Referenceプロファイルの試聴方法
耳ボタン(Reference Previewボタン)を長押しすると、キャプチャされたReferenceプロファイルを5秒間のループ再生が 始まります。この機能は、ReferenceクリップとApply Toクリップを比較するのに便利です。
試聴可能なReferenceプロファイルについて
ドロップダウンメニューからReferenceプロファイルを読み込んだ場合は、耳ボタン(Reference Previewボタン)が表示さ れません。試聴ができるのは、直近で学習されたReferenceプロファイルのみになります。
Pro Tools のハンドル情報
Pro Toolsのハンドルでリファレンス・クリップを選択した場合、Dialogue Matchはクリップの分析時にハンドルの情報も 学習します。したがって、この情報はマッチングの際にApply Toプロファイルにも適用されます。
Apply Toプロファイル
セッションからReferenceプロファイルにマッチさせたいクリップを選択します。キャプチャされたApply Toプロファイル はプロファイル・セクションの右側に 青色 で表示されます。

操作項目 | 説明 |
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Capture(キャプチャ) | このボタンをクリックするとマッチ処理を適用させたいクリップの特性を分析、そして保存をします。 |
Clear(クリア) | キャプチャされた特性が満足いくものではなかった場合、このボタンをクリックしてキャプチャされたApply Toプロファイルを削除します。 |